【新連載/準備編】AIは魔法の杖ではありません

税理士が語る「AIとの付き合い」の正しい始め方

みなさんこんにちは。
起業スタートビジョンラボでございます。

最近、ビジネス界隈では

  •  AIを活用すれば業務効率化が劇的に進む
  •  AIが完璧な事業計画書を作ってくれる

といったなんとも素晴らしい話で溢れています。
しかし、税務・財務の最前線で資金調達の実務を行う私たち「起業スタートビジョンラボ」は、あえてこう言いたいと思います。
「過剰なAI賛美は、もうやめにしましょう」

私たち税理士自身もAIについては学び始めたばかりの「初心者」です。
日々、AIが起こすエラーやもっともらしい嘘(ハルシネーション)に振り回され、試行錯誤を繰り返しています。
だからこそ、現場のリアルな痛みとして断言できます。
AIは創業融資や銀行融資を自動で引っ張ってくる「魔法の杖」ではありません

 

・AIは「優秀だが指示待ち」の新入社員と同じ

自社の経営課題を解決し、AIを事業に落とし込む上で最初に理解すべきことは、「AIの導入は、人間の部下育成と何ら変わりない」ということです。

現在のAIは、ポテンシャルで言えば「東大首席レベル」を遙かに超えるかもしれません。
世界中の知識を持ち、処理能力も圧倒的。
しかし、「指示が曖昧だと、曖昧な結果しか出さない」という決定的な弱点を持っています。

人間の部下を育成する時、いきなり「銀行に出す資料を作っといて」とは言いませんよね。
まずは事業の全体像を伝え、ルールを順守させ、大きな仕事ができるようになるまで上司が常にサポートし、相互確認を繰り返すはずです。
AIも全く同じなのです。
このプロセスを一足飛びに飛ばそうとすると、出来上がるのは「薄っぺらい一般論」にしかなりません。

 

・「内面」と「実行力」が問われる世界線へ

AIという便利な道具の普及によって、すでに融資の現場ではパラダイムシフトが起きつつあります。

AIを使えば、誰でも簡単に70点〜80点の素晴らしい事業計画書が作れる時代になりました。
しかし、それは競合他社も同じです。
ペーパー上の計画書が綺麗に仕上がるのが「当たり前」になったことで、これからの事業融資の審査は劇的な変化が生じるでしょう。

例えば、日本政策金融公庫や銀行の要求水準は劇的に上がり、計画書の出来栄えでは差がつかなくなる。
そのため、審査の焦点は今まで以上に書類の出来栄えから、経営者の「内面」と「実行力」へと完全にシフトしていく等ですね。

金融機関の審査担当者が見ているのは、「AIが作ったきれいな文章」ではありません。
「なぜその事業をやるのかという熱量(内面)」と、「その予測を本当にやり遂げられるのかという泥臭い根拠(実行力)」です。
AIに丸投げしただけの"外面だけの計画書"は、面談という対話の場で一瞬で見抜かれ、融資を断られる最大の原因になります。

 

・慢心せず、AIを「最強の相棒」と呼べるまで共に学ぼう

とは言えAIの学習と活用は、これからの経営において絶対に必要なインフラになっていくでしょう。
しかし、それは「AIが何でもやってくれる」と慢心することではありません。

私たち人間に求められているのは、「何を、どういう順番で、どんなルールでやらせるか」という構成力(指示力)と、それをやり切る実行力です。
AIという未知の道具を理解する努力を怠らず、正しい指示を与え、時にはミスを修正しながら共に成長していく。
そうして初めて、AIは資金調達を成功に導く最強の「相棒」になります。

 

私たち起業スタートビジョンラボも、まだまだ発展途上です。
だからこそ、皆様と同じ目線で泥臭くAIと格闘し、現場で得たリアルな「資金調達のハック」や「事業実装のノウハウ」を、この連載で惜しみなく共有していきます。

 

・「あなたの仕事を、簡潔に説明できますか?」

最後に、このコラムを読んでくださった皆様に一つ「宿題」を出させてください。

「あなたは自分の事業(仕事)を、他人に説明する時に何に気を付けていますか?」

なぜこんな質問をするのか。
それは、「物事を簡潔に、分かりやすく伝える能力」こそが、AIを使いこなすための最強の必須スキル(構成力)だからです。

本当に地頭のいい経営者は、複雑なビジネスモデルでも中学生が分かるレベルで簡潔に伝えることができます。
AIに的確な指示(プロンプト)を出す時も、融資の面談で銀行員に事業の強みを説明する時も、求められる能力は全く同じです。

AIという道具に触れる前に、まずはご自身の事業を極限までシンプルに言語化できるか、ぜひ考えてみてください。

次回(Vol.2)は、この「構成力」を使って、毎月の面倒な経理などのバックオフィス業務をどうやってAIに任せていくのか、「泥臭い実務への落とし込み編」をお届けします。お楽しみに!

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