保証協会を卒業!プロパー融資の客観的基準
プロパー融資の壁:銀行が評価する客観的基準と加点要素
こんにちは、起業スタートビジョンラボです。
いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。
事業が軌道に乗り、次なる成長へ向けて「信用保証協会付き融資」から、銀行が直接リスクを負う「プロパー融資」へのステップアップを検討されている経営者の方も多いと思います。
しかし、プロパー融資の審査は、保証協会付き融資とは「見られているポイント」が全く異なります。
今回は、金融機関の融資部門で実際に審査が行われる際、
1,「何が困難な壁となるのか」
2,「どの数字に注意すべきか」
3,「どんな要素が稟議で加点(プラス評価)されるのか」
という実体について解説します。ぜひ、自社の直近の決算書をお手元に置いて、照らし合わせながらお読みください。
1. なぜプロパー融資は「困難」なのか?(審査の目線の違い)
プロパー融資が難しい最大の理由は、銀行が「100%の貸倒れリスク」を負うからです。
保証協会付き融資の場合、銀行は「この事業は成長しそうか(ポテンシャル)」という前向きな目線を比較的持ちやすいですが、プロパー融資の稟議において、審査部の目線は非常に保守的になります。
審査部が最も重視するのは、夢のある売上予測ではなく、「最悪の事態(計画通りにいかなかった場合)でも、どうやって資金を回収するのか(保全)」です。
この「最悪のケースの想定」と「確実な返済財源の裏付け」を、経営者側が自ら客観的なデータとして証明しなければならない点が、プロパー融資の最大の困難さと言えます。
2. 審査の土俵に乗るための「絶対的な注意点(ネガティブチェック)」
プロパー融資の審査では、まず足切りのための「ネガティブチェック」が行われます。
ここに引っかかると、どれだけ事業計画が立派でも稟議が通りません。特に注意すべき実体(数字)は以下の3点です。
① 債務償還年数が「10年以内」に収まっているか
銀行が最も重視する指標の一つです。自社の本業の稼ぎで、今の借金を何年で返せるかを見ます。
【計算式】 (借入金総額 - 現預金) ÷ (営業利益 + 減価償却費)
この年数が10年を超えている場合、「すでに過剰債務であり、これ以上のプロパー資金の投下は危険」と判断される可能性が極めて高くなります。
② 決算書に「社長への貸付金」や「使途不明金」がないか
会社から社長個人への貸付金(役員貸付金)がある場合、銀行は「貸した融資資金が、社長個人の生活費や遊興費に流用されるのではないか」と強く警戒します。
これは審査において致命的なマイナスポイント(実質的な資金使途違反の懸念)となります。
③ 資金使途が「後ろ向きな運転資金」ではないか
「赤字の補填」や「既存の借入の返済」にあてるための資金調達は、プロパー融資では非常に困難です。
プロパーで引き出しやすいのは、将来のキャッシュを生み出すことが明確な「設備資金」や、売上増加に伴って必然的に発生する「増加運転資金」に限られます。
3. 審査部が首を縦に振る「3つの加点要素(ポジティブチェック)」
ネガティブチェックをクリアした上で、さらに「この会社ならプロパーで貸したい」と銀行に思わせる(稟議の説得力を上げる)ための加点要素は以下の通りです。
加点要素①:「ストレス・テスト」をクリアした資金繰り表がある
「売上が毎月〇%ずつ伸びます」という右肩上がりの計画だけでは、審査部は信用しません。
加点されるのは、
- 「もし売上が計画の8割にとどまった場合」
- 「もし材料費が10%高騰した場合」
といった悪条件(ストレス)を想定しても、手元の資金がショートせず、返済が滞らないことを証明した「保守的な資金繰り表」が添付されているケースです。
リスクを事前に織り込んでいる姿勢が、極めて高く評価されます。
加点要素②:経営者自身の「計数管理能力(数字を語る力)」が高い
面談の際、顧問税理士に数字の説明を丸投げする経営者は評価されません。
- 当社の現在の課題は〇〇であり、
- 今回の融資〇〇万円を〇〇に投資することで、
- 〇ヶ月後には利益率が〇%改善し、
- 月々の返済額〇〇万円を十分にカバーできる」
と、経営者自身が自社の財務と事業の結びつきを自分の言葉で論理的に語れること。
これが、目に見えない最大の「信用(加点)」につながります。
加点要素③:月次決算が迅速かつ正確に締まっている
「年1回の決算書」しか出てこない会社よりも、毎月の試算表(月次決算)が翌月の半ばには正確に作成され、銀行にタイムリーに提出できる会社は、管理体制がしっかりしているとして大きく加点されます。
現状の業績がガラス張りになっている企業に対して、銀行は安心してお金を出すことができます。
4. まとめ:まずは自社の「現在地」の確認を
プロパー融資を勝ち取るために必要なのは、特別な裏技やコネクションではありません。
「自社の現状の財務(債務償還年数など)を客観的に把握し、マイナス要素を排除した上で、最悪の事態を想定した堅実な返済計画を立てること」。
この地道な実態づくりこそが、唯一にして最短のルートです。
これからプロパー融資を目指す経営者の皆様は、まず直近の決算書を手元に置き、自社の「債務償還年数」を計算してみてください。
そして、「もし銀行から厳しい質問をされたとき、自分自身の言葉で数字の根拠を説明できるか」を確認してみてください。
自社の数字の分析や、銀行を納得させる保守的な資金繰り表の作成について、第三者の客観的な視点やアドバイスが必要な場合は、いつでも起業スタートビジョンラボにご相談ください。
皆様の事業成長に向けた、実態を伴う強固な財務体制づくりをお手伝いいたします。
最後に、私たちのHPに償還年数を簡単に算出できる償還年数算出シートがありますので、もしお時間があれば一度入力してみてください。
償還能力簡易チェック+格付け判定表 → https://nagoya-kigyou.com/kakuzuke-check/

