銀行はココを見る!融資に強い決算書の読み方【Vol.1】
融資を有利にする「営業利益」の育て方
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
2026年2月を迎えました。 個人の事業主様はいよいよ確定申告の準備、3月決算の法人様は決算直前の大切な時期ですね。
この時期は、一年の成果を数字にまとめる作業で大忙しかと思います。
さて、皆さんは出来上がった決算書(または試算表)を見る時、「どの数字」に一番注目されていますか?
「今年の売上はこれだけ伸びた!」 「税金対策で、利益はこれくらいに抑えられたな」
経営者として当然の視点ですが、もし将来的に「融資」をお考えであれば、銀行員が見ているポイントも知っておくと、よりスムーズに資金調達ができるようになります。
今回から全6回にわたり、「銀行員は決算書のドコを見て、融資を判断しているのか?」を、専門用語をなるべく使わずに分かりやすく解説します。
第1回は、会社の成績表である「PL(損益計算書)」の読み解き方です。
1. 銀行にとって「売上」はあくまで“入り口”
ビジネスにおいて「売上高」はとても大切です。売上がなければ会社は始まりません。
しかし、銀行の審査では「売上が大きい=事業融資が通る」とは限らないのが現実です。
極端な例ですが、1億円の売上があっても、経費で1億1,000万円使っていれば、手元のお金は減ってしまいますよね。
銀行員が大切にしているのは、「規模(売上)」よりも「手元に残す力(利益)」です。
では、いくつかある「利益」の中で、彼らが最も注目しているのはどれでしょうか?
本音を言うと「全部」なんですが、それを言っては元も子もないので、まずは営業利益から説明していきます。
2. 審査の重要ポイント「営業利益」とは?
損益計算書にはいろんな利益が出てきますが、融資においては「営業利益」は重要なポイントです。
営業利益 = 売上高 - (仕入 + 経費)
簡単に言えば、「本業でどれだけ儲けたか」を表す、会社の実力を示す数字です。(不動産を売った利益などは含みません)
もし営業利益がマイナス(赤字)だと、銀行員は少し心配になります。
「この事業は、やればやるほどお金が減ってしまう構造なのかな?」と見えてしまうからです。
まずは、この営業利益を「プラス(黒字)」にすることが、融資を受けるための第一歩になります。
3. 「節税」と「融資」のバランスを考えよう
ここで、多くの経営者様が悩まれるポイントがあります。それが「節税」です。
「税金をなるべく減らしたい」というのは、経営者として自然な感覚です。
決算前に備品を買ったりして経費を増やし、利益を抑えることもあるでしょう。
ただ、銀行融資の視点だけで見ると、利益を減らしすぎるのは少しもったいないことでもあります。
銀行員の視点:
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「決算書上の利益が少ない...経費負担が大きいのか?(営業利益が低い)」 ↓
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「この経費は今期必要だったのだろうか?利益圧縮のための支出の可能性も...」 ↓
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「これが続くとなると融資額は慎重に判断すべきか...」
銀行への返済は、基本的に「税引き後の利益」から行います。(利益償還という考え方)
そのため、「しっかりと利益が出ていて、税金も払っている会社」の方が、銀行からは「返済能力が高い(=安心してお金を貸せる)」と評価されやすくなるのです。
4. 「経常利益」で見る会社の体力
営業利益の次に見られるのが「経常利益(けいじょうりえき)」です。
これは、本業の利益から、借入金の利息などを支払った後の利益です。
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営業利益 = 本業の実力
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経常利益 = 利息を払った後の、会社全体の体力
もし、「本業(営業利益)は黒字」なのに「経常利益は赤字」だとしたら、それは「利息の支払いが少し重荷になっているかも?」というサインです。
銀行はこれを見て、「これ以上の融資は会社にとって負担にならないか?」を慎重に判断します。
まとめ:決算書は「信頼」を作るツール
第1回のポイントをまとめます。
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銀行は「売上」だけでなく、「営業利益(本業の儲け)」を大切に見ている。
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営業利益の黒字は、ビジネスモデルが健全であることの証明。
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過度な節税で利益を減らすと、「返済能力」の評価が下がってしまうこともある。
もちろん節税も重要ですが、融資をお考えの場合は「適正に利益を出して、銀行からの信用(格付け)を積み上げる」という視点も持ってみてください。
その積み重ねが、いざという時に大きな資金を調達する力になります。
次回、Vol.2では、会社の健康状態を表す「BS(貸借対照表)」についてお話しします。
「黒字なのにお金がないのはなぜ?」「銀行が安心する預金残高とは?」 について解説します。お楽しみに!
【自社の決算書、銀行にはどう見えている?】
「今の決算書の内容で、融資はスムーズに進むかな?」
「節税もしつつ、融資評価も上げたいけれど、どうバランスを取ればいい?」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ起業スタートビジョンラボにご相談ください。
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