銀行はココを見る!融資に強い決算書の読み方【Vol.3】
その資産、本当に価値ある?銀行が警戒する「多すぎる在庫」と「豪華な設備」
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
前回は、B/S(貸借対照表)の中でも「お金」に近い部分(現預金・売掛金)についてお話ししました。
第3回のテーマは、「モノ」としての資産である、「在庫(棚卸資産)」と「固定資産」です。
決算書の「資産の部」に数字がたくさん並んでいると、なんとなく「ウチの会社は財産がたくさんあって安心だ」と思いたくなるかもしれません。
しかし、銀行員の評価は必ずしもそうではありません。
彼らは、決算書に書かれた金額をそのまま信じるのではなく、「換金価値(売ったらいくらになるか)」や「収益性(利益を生んでいるか)」で厳しくチェックしています。
今回は、銀行員が警戒する「資産の落とし穴」について解説します。
1. 在庫は「宝の山」か、「お金の墓場」か
小売業や製造業、建設業の皆様にとって身近な「在庫(棚卸資産)」。
商売をする上で在庫は必要不可欠ですが、銀行員にとっては「最もリスクを感じる要注意項目」の一つです。
なぜなら、在庫とは「形を変えて倉庫で眠っている現金」だからです。
銀行員の視点:
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「売上が横ばいなのに、在庫の金額だけ年々増えている…」 ↓
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「売れ残り(不良在庫)が溜まっているのではないか?」↓
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「この在庫は、将来不良在庫(価値がゼロになる)のリスクがあるかもしれない」 ↓
もし、何年も売れていない商品が「資産」として計上され続けているなら、銀行はそれを資産とはカウントしません(ゼロ評価)。
それどころか、「資金繰りを圧迫する原因」としてマイナス評価につながります。
【対策】
決算前には必ず棚卸しを行い、「もう売れないもの」は思い切って処分(廃棄損として計上)しましょう。
一時的に利益は減りますが、BSがキレイになり、銀行からは「在庫管理が徹底されている健全な会社」として信頼されやすくなります。
2. その固定資産は「利益」を生んでいますか?
次に「固定資産」です。
建物、機械、車両、パソコンなどがこれにあたります。
ここで銀行員が見ているのは、「その資産が、本業の利益に貢献しているか?」という点です。
〇 評価される資産: 生産性を上げるための機械、営業活動に必要な車両、店舗など。
=これらは「将来の利益を生む種」なので、ポジティブに評価されます。
△ 注意が必要な資産: 「見栄えの良い高級外車」や「利用頻度の低いリゾート会員権」など。
経営者としては「節税にもなるしモチベーションも上がる」という理由があるかもしれません。
しかし、銀行員は「これは本業に必要ない(利益を生まない)」と判断すると、資産価値を厳しく見積もることがあります。
もちろん、買ってはいけないわけではありません。
ただ、融資審査においては「事業に必要なもの」と「贅沢品」は明確に区別されて見られている、という意識を持つことが大切です。
3. 銀行は決算書を「作り直して」見ている
ここが今回の最も重要なポイントです。
実は、銀行員は提出された決算書をそのまま鵜呑みにせず、銀行内部のルールで「実質的な価値」に計算し直しています(資産査定)。
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決算書の数字: 在庫 1,000万円
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銀行の見立て: 「半分は3年以上前の売れ残りだから、価値はゼロだな」 → 実質価値: 500万円
このように資産が目減りした結果、「帳簿上は資産があるのに、実質的には借金の方が多くなっている(実質債務超過)」と判定されてしまうケースが少なくありません。
こうなると、追加融資を受けるのは非常に難しくなります。
まとめ:筋肉質なBSを目指そう
第3回のポイントをまとめます。
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増え続ける在庫は「売れ残り」を疑われる。不要なものは処分してBSをキレイに。
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固定資産は「利益を生むか」が見られる。本業に関係ない高級品はマイナス評価のリスクあり。
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銀行は資産の「実質価値」を見ている。数字だけの資産計上は通用しない。
「資産の部」は、脂肪(不要な資産)がついていると動きが鈍くなります。
「本当に価値のあるもの」「利益を生むもの」だけが載っている、スリムで筋肉質な決算書を目指しましょう。
次回、Vol.4では、BSの右側、「負債(借金)」と「純資産(自己資本)」にスポットを当てます。
融資審査で最大の壁となる「債務超過(さいむちょうか)」の現実について詳しく解説します。
会社の安全性を測る最重要回ですのでお楽しみに!
【ウチの資産、銀行にはどう映る?】
「古い在庫がずっと残ったままになっている…」 「節税で買った車があるけど、融資に影響する?」
資産の整理や評価について不安がある方は、ぜひ起業スタートビジョンラボにご相談ください。
銀行視点での「資産査定」を行い、より融資に強い財務体質への改善をサポートいたします。

