税務調査は融資にどう影響する?
税務調査官の視点と経営者が備えるべきこと
こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。
「税務調査が入るって、会社に何か問題があるのかな…」 「税務調査を受けると、銀行からの融資が受けられなくなるって本当?」
税務調査と聞くと、多くの経営者が不安を感じることでしょう。特に、資金調達を考えている経営者にとって、税務調査が融資に与える影響は大きな関心事です。
この記事では、税務調査が融資審査にどう影響するのか、そして経営者が日頃からどのような準備をしておくべきかを、税理士の視点からわかりやすく解説します。
税務調査と融資審査、なぜ関係があるのか?
一見、関係なさそうに思える税務調査と融資審査ですが、実は密接な関係があります。
銀行は、融資を判断する際に、あなたの会社の「信用力」を最も重視します。税務調査は、その信用力を測る重要な指標の一つです。
税務調査で「追徴課税」(不足していた税金の追加徴収)や「重加算税」(意図的な隠蔽や仮装に対する重い罰金)が課されると、銀行は以下の2つの側面から企業を判断します。
1. 経営管理能力の不足
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お金の管理がずさんであると見なされる: 税金の計算を正確に行えていないということは、会社のお金の管理全般がずさんであると見なされます。
資金管理や経理体制の甘さは、経営者としての能力を疑問視される重大な要因となります。
2. 不正な取引の可能性(コンプライアンスリスク)
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信用できない会社と判断される: 意図的な税金逃れ(特に重加算税が課される場合)と判断された場合、銀行は「この会社は信用できない」「不正な取引をしている可能性がある」と判断します。
これは、コンプライアンス(法令遵守)リスクの高さを示唆し、融資の可否に決定的な悪影響を及ぼします。
これらの判断から、税務調査の結果は、企業の財務健全性だけでなく、経営者の資質と企業の信頼性を評価する上で、極めて重要な要素となります。
税務調査で「見られる」3つのポイント
では、税務調査官は具体的に何をチェックしているのでしょうか?主なポイントは以下の3つです。
1. 売上・経費の正確性
売上や経費が正しく計上されているかは、最も基本的なチェックポイントです。
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売上除外: 売上を計上せずに現金を保管していたり、売り上げを少なく見せるような行為がないか。
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架空経費: 実際には購入していないものを経費として計上していないか。
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人件費: 従業員の給与が正確に処理されているか。
2. 現金・預金の動き
銀行口座の入出金記録や、手元の現金の動きは、お金の流れを把握するために厳しくチェックされます。
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使途不明金: 銀行口座から引き出された現金が、何に使われたか不明な場合、個人的な支出と見なされることがあります。
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タンス預金: 事業用の現金を銀行口座に入れず、手元に保管している場合、売上隠しと疑われることがあります。
3. 経営者の個人的な支出
事業用の経費と個人的な支出が混同されていないか、特に注意して見られます。
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交際費: 事業に関係のない飲食費やゴルフ代などが経費として計上されていないか。
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車両費: プライベートで利用している車両の維持費を全額経費にしていないか。
税務調査を融資に活かすための経営者の心得
税務調査は、決して恐れるべきものではありません。
日頃から適切な経理処理を行うことで、会社の信用力を証明する機会となり、むしろ融資に有利に働くこともあります。
1. 経理処理の正確性を保つ
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日々の経費精算や売上管理を正確に行い、領収書や請求書を適切に保管しましょう。
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これにより、税務調査官に「お金の管理をしっかりしている会社だ」という良い印象を与えることができます。
正確な経理処理は、経営者の管理能力の証明に直結します。
2. 事業用と個人用の口座を分ける
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事業用の経費と個人の支出が混同しないよう、事業用と個人用の銀行口座を明確に分けることが非常に重要です。
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お金の流れが明確になることで、公私混同の疑念を解消でき、税務調査官からの信頼も高まります。
これは、銀行が重視する資金の透明性を担保することにも繋がります。
3. 専門家(税理士)に相談する
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税理士に相談することで、日々の複雑な経理処理の正確性を保ち、税務上のリスクを未然に防ぐことができます。
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また、万が一税務調査が入った際も、税理士が同席することで、冷静かつ適切に対応でき、不必要な追徴課税や疑念の発生を防ぐことができます。
まとめ
税務調査は、あなたの会社の信用力を測る重要な機会です。
日頃から適切な経理処理を行い、税務調査官に「この会社は信用できる」と判断してもらうことで、そのまま銀行の融資審査を有利に進めることができます。
名古屋起業スタートビジョンラボでは、日々の経理処理や税務調査に関するご相談も承っております。お悩みの方は是非、お気軽にご相談ください。