株式会社 vs 合同会社 どちらを選ぶべき?
こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。
名古屋で会社設立を考えているけれど、「株式会社」と「合同会社」、どちらを選べば良いか分からず悩んでいませんか?
「設立費用は抑えたいけど、将来的に事業を大きくしたい」という思いと、「それぞれの違いがよくわからない」という不安を抱えている方も多いでしょう。
この記事では、名古屋での会社設立を検討している方に向けて、株式会社と合同会社を専門家である税理士が比較し、あなたの事業に最適な選択ができるように詳しく解説します。
この記事を読めば、両者のメリット・デメリットや設立後の違いが明確になり、あなたの事業計画に合った最適な会社形態がきっと見つかるはずです。
名古屋での起業を成功させたいあなたは、ぜひ最後までじっくりお読みください!
株式会社と合同会社の設立数が急増中!その背景とは?
近年、名古屋でも株式会社と合同会社の設立件数が増加しています。
特に合同会社は、2006年の会社法改正で導入されて以来、その設立件数が年々右肩上がりに伸びています。
これは、起業のハードルが下がったこと、そして多様な働き方や事業形態が認められるようになったことが背景にあります。
しかし、設立件数が増えているからといって、安易にどちらかを選ぶのは危険です。
それぞれの特徴をしっかり理解し、ご自身の事業内容や将来のビジョンに合わせて慎重に選択することが重要です。
株式会社と合同会社の主な違いを徹底比較
株式会社と合同会社は、どちらも法人として事業活動を行うことができますが、その特徴にはいくつかの大きな違いがあります。
ここでは、特に重要なポイントを以下の表で分かりやすく比較してみましょう。
この表を見ると、設立費用や意思決定の方法に大きな違いがあることがわかります。
株式会社は設立費用が高いものの、社会的な信用度が高く、大規模な資金調達も可能です。
一方、合同会社は設立費用が安く、意思決定もスムーズに行えるというメリットがあります。
株式会社のメリット・デメリットを解説
ここでは、株式会社を選択した場合の具体的なメリットとデメリットについて詳しく解説します。
株式会社のメリット
1. 社会的な信用度が高い
株式会社は、一般的に社会的信用度が高いと見なされます。
これは、資本金や会社の情報が公開されており、会社法に基づいて厳格に運営されているというイメージがあるためです。
金融機関からの融資審査、大手企業との取引、優秀な人材の採用など、事業を拡大していく上で有利に働くことが多いでしょう。
2. 資金調達の選択肢が豊富
株式会社は株式を発行することで、広く一般から資金を募ることができます。
このため、将来的に事業を大きくしたい、上場を目指したいと考えている場合には、大きなメリットとなります。
事業が成長した際に、多額の資金を調達できることは、他社との競争力を高める上で非常に重要です。
3. 経営と所有を分離できる
株式会社では、会社の所有者である株主と、実際の経営を行う取締役を分けることができます。
これにより、専門的な知識や経験を持つ人材を外部から招いて経営を任せることができ、事業の成長を加速させることが可能です。
例えば、技術力はあるが経営経験が少ない創業者が、優秀な経営者を招くといったケースが考えられます。
株式会社のデメリット
1. 設立費用が高額
株式会社の設立には、登録免許税や定款認証手数料などで、約20万円~25万円程度の費用がかかります。
これは合同会社の約2倍の金額です。特に創業期の資金が限られている場合には、大きな負担となる可能性があります。
2. 意思決定に時間がかかる場合がある
株式会社では、重要な決定をする際には株主総会や取締役会での決議が必要です。
これにより、意思決定に時間がかかったり、株主間の意見が対立してスムーズに物事が進まないことがあります。
特に、株主の数が多い大企業では、この傾向が顕著になります。
3. 役員の任期があり、変更登記が必要
株式会社の役員(取締役)には任期があり、原則として2年ごとに改選が必要です。(非公開会社(株式を譲渡制限している会社)であれば、定款で定めることにより最長10年)
任期が満了すると、同じ人が再任する場合でも、役員変更登記を行う必要があり、その度に費用が発生します。
これを忘れると、会社法違反となり過料が課せられることもあるため注意が必要です。
合同会社のメリット・デメリットを解説
次に、合同会社を選択した場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
合同会社のメリット
1. 設立費用が安い
合同会社の設立費用は、登録免許税や定款作成費用を合わせても、約6万円~10万円程度と、株式会社の半分以下で済みます。
創業時の自己資金をできるだけ事業に回したいと考えている方にとっては、大きなメリットとなります。
2. 意思決定が迅速かつ柔軟
合同会社では、出資者全員の同意があれば、重要な決定をスピーディーに行うことができます。
株式会社のような株主総会や取締役会といった厳格な手続きが不要なため、経営環境の変化に迅速に対応できます。
以前ご相談に来られたウェブ制作会社のA社は、合同会社で設立されたことで、新しいサービスを開発する際も素早く方針を決定でき、競合他社に先駆けて事業を展開することができました。
3. 決算公告の義務がない
株式会社には、毎年の決算内容を一般に公開する義務がありますが、合同会社にはこの義務がありません。
会社の財務状況を外部に知られずに済むため、プライバシーを重視する方や、競合に情報を知られたくないと考える方にはメリットとなります。
合同会社のデメリット
1. 社会的な信用度が低いと感じられることも
合同会社は、株式会社と比較すると、まだ設立されてからの歴史が浅いため、社会的な信用度が低いと見なされることがあります。
特に、金融機関からの融資や大手企業との取引、採用活動においては、株式会社の方が有利に働く場面が多いでしょう。
2. 資金調達方法が限られる
合同会社は、株式を発行して資金を調達することができません。事業拡大のために大規模な資金が必要になった場合、金融機関からの融資や、出資者からの追加出資といった方法に限定されてしまいます。将来的に事業のスケールアップを考えている場合は、大きな制約となる可能性があります。
3. 所有と経営の分離が難しい
合同会社では、出資者=経営者という形式が基本です。そのため、株式会社のように外部から専門の経営者を招くといった柔軟な経営が難しくなります。
会社の成長のために、外部の優秀な人材を経営陣として迎え入れたい場合には、株式会社への組織変更を検討する必要があります。
事例で見る!名古屋でどちらを選ぶべきか
ここでは、名古屋で実際に起業を検討している方々の具体的な事例をいくつか紹介し、どちらの会社形態が適しているかを考えてみましょう。
【事例1】小規模でスモールスタートを目指す方の場合
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相談者: 30代のフリーランスデザイナー
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事業内容: 個人事業主として続けていたデザイン業務を法人化し、事業規模を拡大したい
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希望: 設立費用を抑えたい、意思決定を自分一人でスピーディーに行いたい
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税理士からのアドバイス: このようなケースでは、合同会社がおすすめです。設立費用が安く、手続きも簡単です。
一人で事業を進めるため、株式会社のように株主総会を開く必要もなく、迅速な意思決定が可能です。
将来的に事業が拡大し、外部から出資を募る必要が出てきた場合には、その時点で株式会社へ変更することも検討できます。
【事例2】将来的に事業拡大や上場を目指す方の場合
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相談者: 40代のITエンジニア
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事業内容: 複数のメンバーと新しいWebサービスを開発し、将来的にベンチャーキャピタルから資金調達したい
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希望: 外部からの信用を得たい、大規模な資金調達を見据えている
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税理士からのアドバイス: この場合は、株式会社で設立することを強くおすすめします。
ベンチャーキャピタルからの出資を受けるためには、株式を発行できる株式会社であることが不可欠です。
また、社会的な信用度が高いことで、優秀なエンジニアや営業人材の採用にも有利に働くでしょう。
【事例3】家族経営で飲食店を開業する方の場合
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相談者: 50代の料理人
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事業内容: 夫婦で長年の夢だった飲食店を開業したい
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希望: 設立費用は安く抑えたい、外部に会社の情報を公開したくない
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税理士からのアドバイス: こちらも合同会社が適しています。家族経営で経営方針が明確なため、複雑な意思決定プロセスは不要です。
また、決算公告の義務がないため、会社の内部情報を外部に知られる心配もありません。
設立費用を抑えることで、開業資金を内装や設備に回すことができます。
まとめ
名古屋で会社を設立する際、株式会社と合同会社のどちらを選ぶべきかは、事業の目的や将来のビジョンによって大きく異なります。
社会的な信用度を重視し、将来的に大規模な資金調達や上場を目指すなら「株式会社」が適しています。
一方、設立費用を抑え、スピーディーな意思決定をしたい、小規模で事業をスタートさせたいなら「合同会社」がおすすめです。
それぞれのメリット・デメリットを十分に理解し、ご自身の状況に合わせて最適な会社形態を選択することが、事業成功への第一歩となります。
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