建設業の創業融資:担当者が重視する「利益」と「資金繰り」


 

こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。

「個人事業主から法人化して、もっと大きな仕事に挑戦したい」「まずは開業初年度から、5,000万円~1億円規模の事業を目指したい」

名古屋の建設業界で独立・創業を考えているあなたにとって、事業拡大の鍵を握るのが創業融資です。

しかし、「利益率と利益額、どっちをアピールすればいいの?」「事業計画書って、具体的に何をどう書けば評価されるの?」といった疑問をお持ちではありませんか?

 

この記事では、日本政策金融公庫の融資担当者が、あなたの事業計画をどのような視点で見ているのかを、「利益」と「資金繰り」というキーワードに絞って解説します。

単なる制度の説明ではなく、審査の裏側を知ることで、あなたの融資成功率を飛躍的に高める具体的なポイントをお伝えします。

 


 

融資担当者が測る二つの「利益」:率より額が重要

 

融資審査では、あなたの事業が「将来にわたって安定的に利益を生み出し、確実に返済できるか」が最も重視されます。

この判断材料となるのが「利益率」と「利益額」です。

 

・利益率:あなたの「経営能力」を測るモノサシ

融資担当者は、まず利益率を見て、「この経営者は、ちゃんと利益を残せるコスト管理能力があるか?」を分析します。

  • 評価される点: 資材の仕入れ、外注費、人件費などのコスト管理が徹底されているほど、利益率は高くなり、経営効率が良いと評価されます。

  • 求められる根拠: 建設業は景気や資材価格で利益率が変動しやすいため、「なぜこの利益率を達成できるのか」という具体的な根拠(例:資材の共同仕入れ、外注先との長期契約など)を求めています。

 

・ 利益額:あなたの「返済能力」を測る最も重要な指標

一方、利益額は、「実際に融資を返済できるだけのキャッシュを稼げるか?」を判断するための、最も重要な指標です。

  • 融資担当者の本音: 「利益率の高さよりも、返済に足る十分な利益額があるかどうか」が融資の可否を分ける決定的なポイントです。

  • 求められる余裕: 利益は、役員報酬や設備投資、そして借入金の返済原資となります。リスクを考慮すると、月々の返済額に対し、2倍から3倍程度の利益額を安定的に生み出す計画が求められます。

 


 

審査事例:高利益率の内装工事業者が指摘された点

 

以前ご相談に来られた内装工事業のBさんの事例は、この原則をよく示しています。

項目 相談前の実績 融資担当者の指摘 改善後の目標
技術/利益率 粗利率35~40%(高評価)   維持しつつ規模拡大
事業規模 年間施工件数:12件(一人作業) 「利益額が少ない」 受注件数を倍増へ
利益額 590万円 「トラブル時の返済滞納リスクが高い」 900万円へ向上

Bさんは利益率が高かったにもかかわらず、利益額が小さすぎたため、「返済原資が尽きるリスク」を指摘されました。

そこで、私たちは事業計画を「外注活用による事業規模拡大」に修正し、年間売上3,000万円、利益額900万円という、現実的で説得力のある利益額を提示。

結果、Bさんは無事に融資を獲得し、当期決算で目標を達成しました。

この事例は、表面的な高利益率よりも、事業規模を拡大し、返済の確実性を示すための十分な『利益額』を安定的に稼ぎ出せるかが重要であることを示しています。

 


 

建設業特有の「資金繰り」問題と審査の着眼点

 

利益計画と合わせて、創業融資の審査では「運転資金」と「キャッシュフロー」の健全性が厳しくチェックされます。

特に建設業は工事サイクルが長いため、この2つが事業の安定性を左右します。

 

・運転資金:なぜ建設業は資金ショートしやすいのか

 運転資金とは、事業を円滑に回すために必要な資金です。

 建設業は、売上金が入金されるまでの間に、費用を先行して支払うという構造的な特徴があります。

  • 先行支払い: 資材の仕入れ代金や協力会社への外注費、人件費などを、お客様から代金を受け取る2ヶ月以上前に支払う必要があります。

  • 審査のポイント: 融資担当者は、事業計画から必要な運転資金を正確に計算し、「この事業は資金ショートを起こさず、安定的に運営できるか?」を判断します。

 

・キャッシュフロー:利益と現金のズレを理解する

 キャッシュフローは「お金の流れそのもの」を指します。

「帳簿上は利益が出ているのに、手元に現金がない」という状態は、キャッシュフローが悪化している典型例です。

 

 建設業では、決算期末に工事が完了し売上が計上されても、入金が翌期にずれ込むなど、利益と現金のズレが起こりがちです。

 融資担当者は、事業計画書がこの現実的なお金の流れを考慮しているかどうかを見極めます。単なる利益計画だけでなく、確実な資金繰り計画を提示することが不可欠です。

 


 

まとめ:融資成功のためのロードマップ

 

建設業の創業融資で成功するためには、以下のロードマップが必要です。

 

  1. 利益率コスト管理能力をアピールする。

  2. 利益額十分な返済能力を明確に示す。

  3. 運転資金キャッシュフロー現実的な資金繰りを証明する。

 

名古屋起業スタートビジョンラボでは、建設業の特性を理解した上で、融資担当者の目線に立った事業計画書の作成をサポートしています。

創業融資についてのご不安や気になることがあれば、是非お気軽にご相談ください。

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