小規模企業共済は「いつ」入るべき?

【税理士監修】加入窓口の正解と解約金の罠を徹底解説

 

こんにちは!起業スタートビジョンラボです。

会社経営者や個人事業主の方とお話ししていると、必ずと言っていいほど話題に上がるのが「節税」と「老後の資金」です。

その両方を同時に解決できる国の制度として有名なのが「小規模企業共済」です。

 

しかし、

「名前は聞くけど、どのタイミングで入ればいいの?」

「銀行や商工会、どこで申し込むのが一番トクなの?」

「解約すると損するって本当?」

といった疑問から、加入を先送りにしている方も多いのではないでしょうか。

 

結論から申し上げます。

小規模企業共済は、利益が出始めたら「1日でも早く」入るべきであり、加入が遅れるほど将来の選択肢が狭まります

この記事では、小規模企業共済の仕組みから、ベストな加入タイミング、窓口の選び方、そして絶対に知っておくべき「解約時の元本割れリスク」について、税理士の視点で解説します。

 


 

1. そもそも「小規模企業共済」とは?商品の意図を理解する

 

小規模企業共済は、国(中小機構)が運営する「経営者のための退職金制度」です。

会社員には退職金や厚生年金がありますが、経営者や個人事業主にはそれがありません。その不安を解消するために作られた制度です。

 

最大のメリットは「全額所得控除」

 

この商品が「最強の節税」と呼ばれる所以は、毎月の掛金(最大月額7万円)が、全額「所得控除」になる点です。

経費にはなりませんが、個人の税金(所得税・住民税)を計算する際に、掛金分を所得から差し引くことができます。

つまり、「将来のために貯金をしているのに、今の税金が安くなる」という、極めて効率の良い資金形成手段なのです。

 


 

2. どのタイミングで入るべき?遅れることの「2つのデメリット」

 

「もう少し資金繰りが安定してから…」と加入を先延ばしにする方がいますが、実は加入が遅れることには明確なデメリットが存在します。

 

ベストなタイミングは「役員報酬(所得)を取り始めた時」

利益が出てご自身に役員報酬を出し始めたらそれが加入のゴーサインです。

特に「決算・確定申告の直前」であっても、「年払い(1年分を前払い)」を活用すれば、その年の控除を一気に受けることができます。

 

加入が遅れるデメリット①:節税機会の損失

当然ですが、未加入の期間は所得控除を受けられません。

高い税率が適用される方ほど、数年間の未加入期間で数十万〜数百万単位の税金を多く払うことになります。

 

加入が遅れるデメリット②:「20年(240ヶ月)ルール」の壁

これが最も深刻なデメリットです。

小規模企業共済には、「任意解約の場合、掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満だと元本割れする」というルールがあります。

加入が遅れるということは、「元本割れせずに自由に解約できる日」がどんどん遠のくことを意味します。

40歳で入れば60歳で自由になりますが、50歳で入ると70歳まで資金が拘束されるリスクが高まるのです。

 

よく「15年(180ヶ月)でいいのでは?」という質問を頂きますが、それは65歳以上になってから受け取る「老齢給付」の条件です。

65歳未満で自己都合解約をする場合は、やはり20年(240ヶ月)加入していないと元本割れしてしまいます。

 


 

3. 金融機関?商工会?どこで入るのが「正解」か

 

小規模企業共済は、都市銀行、地方銀行、信用金庫、商工会、青色申告会など、様々な窓口で加入できます。

「どこで入ると得なのか?」という質問をよく頂きますが、制度自体は国のものなので、どこで入っても運用益や条件は全く同じです。

では、何を基準に選ぶべきでしょうか?

 

おすすめ①:メインバンク(融資を受けている金融機関)

最も効率が良いのは、事業融資を受けている、または今後受けたいと考えている金融機関です。

銀行にとって、小規模企業共済の獲得は営業目標の一つです。「御行で加入します」と伝えることは、担当者との関係構築においてプラスに働きます。

また、掛金の引き落とし口座を事業用口座に設定すれば、管理もスムーズです。

 

おすすめ②:顧問税理士(経由での申し込み)

手続きの楽さを優先するなら、顧問税理士に相談するのも手です。

税理士事務所は業務委託契約を結んでいる団体等を通じて用紙を手配できるため、記入方法の指導から控除証明書の管理までサポートしてくれます。

結論: 金融機関との関係強化を狙うなら「メインバンク」、手続きの簡便さをとるなら「顧問税理士」にご相談ください。

 


 

4. 入る前に知っておくべき「やめ方」と「解約金」

 

最後に、出口戦略についてです。ここを理解せずに入ると後悔します。

解約手当金には主に以下の種類があり、受け取れる金額が異なります。

解約の種類 条件(例) 受け取れる金額
共済金A 個人事業の廃業、役員の退任(病気・怪我以外も含む) 一番多い(掛金+運用益)
共済金B 役員の退任(65歳以上)など 多い(掛金+運用益)
準共済金 個人事業の法人成り(引き継がない場合)など 全額戻る(運用益はつかない)
解約手当金 自己都合による任意解約 注意が必要(下記参照)

 

【最重要】任意解約の注意点

事業を廃業したり退職したりせず、単に「お金が必要になったから」といって解約する場合(任意解約)は注意が必要です。

  • 掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満の場合:元本割れします(掛金総額の80%〜)。

  • 掛金納付月数が12ヶ月未満の場合:全額掛け捨てになります(0円)。

つまり、小規模企業共済は「一度始めたら、廃業するか20年以上経つまでは引き出さない定期預金」のような覚悟で始める必要があります。

もし一時的にお金が必要になった場合は、解約するのではなく、「契約者貸付制度」(積み立てた掛金の範囲内で低金利で借り入れできる制度)を利用するのが賢い方法です。

 


 

まとめ:制度を正しく理解し、賢く資産形成を

 

小規模企業共済は、経営者にとって非常に強力な節税・資産形成ツールですが、「20年未満の任意解約」という落とし穴もあります。

  • 利益が出始めたらすぐに加入する(240ヶ月のカウントダウンを開始する)。

  • 無理のない掛金設定でスタートする(後で増額・減額可能)。

  • 解約ではなく「貸付制度」を活用して資金繰りを回す。

この3点を守れば、これほど心強い制度はありません。

 

「自分の役員報酬だと、いくら節税になるの?」

「掛金はいくらに設定するのがベスト?」

具体的なシミュレーションをご希望の方は、ぜひ起業スタートビジョンラボにご相談ください。

あなたの事業計画とライフプランに合わせた最適な加入プランをご提案いたします。

 

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