名古屋での会社設立手続き完全ロードマップ【税理士監修】
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
名古屋で「いつかは自分の会社を持ちたい」と考えているものの、会社設立の手続きが複雑そうで、何から手をつけて良いか分からないと悩んでいませんか?
この記事では、名古屋で会社を設立する際に必要な手続きを、準備段階から設立完了まで、税理士がわかりやすいロードマップ形式で徹底解説します。
この記事を最後まで読むことで、会社設立の全体像を把握し、スムーズかつ確実に手続きを進めるための具体的なステップと注意点を理解できます。
名古屋での会社設立を考えているあなたは、ぜひ最後までじっくりお読みください!
名古屋で会社設立をする前に知っておくべきこと
会社設立は、起業家にとって大きな一歩です。しかし、その手続きは多岐にわたり、準備不足だと時間や費用が無駄になることもあります。
名古屋で会社を設立する前に、まずは全体像を把握し、スムーズなスタートを切るための基礎知識を身につけましょう。
会社設立のメリット・デメリット
会社を設立することには、個人事業主とは異なる多くのメリットとデメリットが存在します。
これらを事前に理解しておくことで、あなたの事業形態が法人化に適しているか、またどのような恩恵を受けられるのかを判断できます。
会社設立のメリット
会社設立の大きなメリットの一つは、社会的な信用度が向上することです。
個人事業主と比較して、法人としての事業活動は取引先からの信頼を得やすく、金融機関からの融資も受けやすくなります。
これにより、事業拡大のための資金調達が有利に進む可能性があります。
また、節税面でもメリットがあります。特に事業規模が大きくなり所得が増えると、個人事業主よりも法人の方が税率が低くなるケースが多く、効果的な節税対策が可能です。
例えば、役員報酬や退職金を経費として計上できるなど、税制上の優遇措置が適用される場合があります。
さらに、事業承継が容易になる点もメリットです。
会社組織であれば、経営者が変わっても事業自体は継続されるため、将来的な事業承継を見据えている場合は非常に有利です。
会社設立のデメリット
一方で、会社設立にはデメリットも存在します。まず、設立に際しては費用と時間がかかります。
株式会社を設立する場合、登録免許税や定款認証費用などで最低でも20万円程度の初期費用が必要です。
また、手続きも複雑であり、専門知識がないと時間と労力がかかります。
加えて、設立後のランニングコストも考慮しなければなりません。
法人住民税の均等割は、たとえ赤字であっても毎年支払う義務があります。
また、会計処理も個人事業主より複雑になり、税理士に依頼する費用も発生する可能性があります。
さらに、会社の解散や清算にも手間と費用がかかります。
万が一、事業を継続できなくなった場合でも、法人としての手続きを完了させるまでに時間と費用が必要です。
会社設立のロードマップ:準備から設立完了まで
名古屋で会社を設立する際の具体的な手続きは、大きく分けて「設立前の準備」「設立手続き」「設立後の届出」の3つのステップに分けられます。
このロードマップに沿って進めることで、漏れなくスムーズに会社設立を完了できます。
ステップ1:設立前の準備
会社設立を成功させるためには、事前の準備が非常に重要です。
この段階でしっかりと計画を立てることで、後の手続きがスムーズに進みます。
①会社概要の決定
まずは、会社の基本的な情報を決定します。これらは、定款作成や登記申請に必要となる重要な項目です。
②商号(会社名)の決定
会社の顔となる商号(会社名)を決定します。商号は、会社設立後に変更することも可能ですが、手間がかかるため、慎重に選びましょう。
類似商号の調査も忘れずに行い、同じ所在地に同じ商号がないか、インターネットや法務局の窓口で確認してください。
特に名古屋市内では、多くの会社が存在するため、オリジナリティのある商号を検討することが重要です。
③事業目的の決定
事業目的は、定款に記載し、登記されるため、将来的に行う可能性のある事業も含めて、網羅的に記載することが望ましいです。
ただし、あまりにも漠然とした表現や、違法な目的は認められません。
例えば、「ウェブサイトの企画、制作及び運営」や「コンサルティング業務」など、具体的に記述しましょう。
④本店所在地の決定
自宅を本店とする場合は、その住所を記載します。賃貸物件の場合は、賃貸契約書で法人登記が可能か確認が必要です。
名古屋市内のどこに本店を置くかは、事業戦略や顧客層、交通の便などを考慮して慎重に選びましょう。例えば、栄や丸の内はビジネス街として人気があります。
⑤資本金の決定
最低資本金制度は撤廃されたため、資本金1円からでも会社を設立できますが、対外的な信用度を考慮すると、ある程度の金額を設定することが一般的です。
また、創業融資を検討している場合は、自己資金の多寡が審査に影響する場合もあります。
過去に創業融資を受けた名古屋の企業の事例では、資本金が多ければ多いほど、融資の成功率が高まる傾向にありました。
⑥発起人・役員の決定
役員構成によって、会社の運営体制が変わるため、誰がどのような役割を担うのかを明確にしましょう。
⑦必要書類・持ち物の準備
会社設立には、様々な書類や印鑑が必要です。事前に準備しておくことで、手続きをスムーズに進められます。
⑧個人の印鑑証明書
発起人全員の印鑑証明書が必要です。市役所や区役所で取得できます。名古屋市内の各区役所でも取得可能です。
⑨会社実印
会社設立後に使用する会社の実印を作成します。印鑑は会社の顔となるため、信頼できる印鑑業者に依頼しましょう。登記申請の際に必要となります。
⑩発起人個人の実印
発起人個人の実印も必要です。これは、定款に押印する際に使用します。
⑪銀行口座(資本金払い込み用)
資本金を払い込むための発起人個人の銀行口座が必要です。新しく口座を開設する必要はありません。
ステップ2:会社設立手続き
準備が整ったら、いよいよ会社設立の手続きに入ります。このステップが会社設立の核心部分となります。
①定款の作成と認証
定款は会社の憲法とも言える重要な書類です。会社の基本的なルールを定めます。
②定款の作成
会社法に基づき、商号、事業目的、本店所在地、資本金の額、発起人に関する事項などを記載した定款を作成します。
テンプレートを活用したり、専門家に相談したりするのも良いでしょう。
特に、事業目的は後から追加・変更する際に費用がかかるため、慎重に検討する必要があります。
③定款の認証(公証役場)
作成した定款は、公証役場で認証を受ける必要があります。
名古屋市内にも複数の公証役場がありますので、事前に予約を取り、必要書類を持参して認証を受けましょう。
認証手数料は約5万円です(資本金の金額によって変動します)。この認証がないと、会社設立の登記申請はできません。
なお認証を受けるのは株式会社のみで、合同会社の場合は省略されます。
④資本金の払い込み
定款認証が完了したら、発起人の個人口座に資本金を払い込みます。
⑤発起人代表口座への払い込み
発起人代表の個人口座に、各自が出資する資本金を払い込みます。
この際、通帳のコピーやインターネットバンキングの画面を印刷し、資本金が払い込まれたことを証明する書類を作成します。
この書類は、登記申請の際に必要となります。
クライアント様から、紙の通帳が無い場合はどうしたらよいのかとご質問を頂くことがありますが、近年インターネットバンキングの利用に伴い、紙の通帳をお持ちでないクライアント様も増えてきました。
紙の通帳がある場合は、①表紙、②表紙をめくった1枚目、③振込日時・名義人・振込金額・振込後残高が確認できるページ、の3枚あれば問題ありません。
インターネットバンキングの場合、上記③に加え、金融機関名・支店名・口座番号・通帳の名義人が確認できるページの写しが必要となりますので、必ず確認することをお勧めします。
⑥登記申請
いよいよ、会社の設立登記を法務局に申請します。
登記書類の作成
登記申請書、取締役の就任承諾書、資本金払込証明書など、様々な書類を作成します。
これらの書類は、正確な情報に基づいて作成する必要があります。
法務局への申請
作成した書類一式を、会社の所在地を管轄する法務局に提出します。名古屋市に本店を置く場合は、名古屋法務局に申請することになります。
申請が受理され、不備がなければ数日から1週間程度で登記が完了し、会社設立となります。
ステップ3:会社設立後の届出
会社が設立された後も、税務署や市区町村、年金事務所などへの様々な届出が必要です。これらの届出を忘れると、不利益を被る可能性があるので注意しましょう。
①税務署への届出
会社設立後、税務署へは必ず以下の届出を行います。
1.法人設立届出書
会社設立の日から2ヶ月以内に提出が必要です。この届出書には、会社の基本情報、事業内容、資本金などを記載します。
2.青色申告の承認申請書
青色申告の承認を受けたい場合に提出します。提出期限は、会社設立の日から3ヶ月以内、または最初の事業年度終了日のいずれか早い日です。
青色申告の承認を受けると、欠損金の繰越控除など、税制上の優遇措置を受けられます。
3.給与支払事務所等の開設届出書
役員報酬や従業員への給与を支払う場合に提出します。提出期限は、給与の支払いを開始した日から1ヶ月以内です。
4.県税事務所・市役所への届出
税務署への届出だけでなく、県税事務所や市役所にも届出が必要です。
5.法人設立届出書(県税事務所・市役所)
税務署への届出と同様に、県税事務所と市役所にも法人設立届出書を提出します。
名古屋市に会社を設立した場合、愛知県税事務所と名古屋市役所へ提出することになります。
6.年金事務所への届出
従業員を雇用する場合は、社会保険に関する届出も必要です。
健康保険・厚生年金保険新規適用届
会社設立後、原則として5日以内に年金事務所へ提出します。これにより、健康保険と厚生年金保険の適用事業所となります。
7.労働基準監督署・ハローワークへの届出(従業員を雇用する場合)
従業員を雇用する場合、労働保険に関する届出も必要です。
労働保険関係手続
労働基準監督署へは労働保険の加入手続き、ハローワークへは雇用保険の加入手続きを行います。
これらの手続きは、従業員を雇用した際に発生します。
会社設立手続きをスムーズに進めるためのポイント
名古屋での会社設立手続きは、専門知識がないと複雑に感じられるかもしれません。
しかし、いくつかのポイントを押さえることで、スムーズかつ確実に手続きを進めることができます。
1.専門家への相談を検討する
会社設立には、法律や税務に関する専門知識が必要です。特に初めて会社を設立する場合や、本業に集中したい場合は、専門家への相談を検討することをおすすめします。
税理士に相談するメリット
税理士は、会社設立に関する手続き全般のサポートに加え、設立後の税務顧問としても頼りになる存在です。
例えば、起業スタートビジョンラボのような税理士事務所では、定款作成から登記申請に必要な書類作成のアドバイス、さらには税務署への各種届出まで、一貫してサポートを提供しています。
過去にご相談に来られたA社は、ご自身で手続きを進めようとしていましたが、専門用語や書類の多さに困惑し、結果的に税理士に依頼することで、約1ヶ月で会社設立を完了させることができました。
税理士に依頼することで、書類作成のミスによる再提出の手間を省き、時間を節約できるだけでなく、設立後の税金対策や資金調達(特に創業融資)についても具体的なアドバイスを受けられる点が大きなメリットです。
司法書士・行政書士に相談するメリット
司法書士は登記手続きの専門家であり、行政書士は許認可申請の専門家です。
司法書士は、法務局への登記申請手続きを代行できます。定款の認証から登記完了までの一連の流れをスムーズに進めたい場合に頼りになります。
行政書士は、事業に必要な許認可(例えば、飲食店営業許可や建設業許可など)の申請手続きを代行できます。
設立する事業内容によっては、必須となる許認可があるため、事前に確認し、必要であれば行政書士に相談しましょう。
2.スケジュールを立てて計画的に進める
会社設立には、準備期間を含めると数週間から数ヶ月かかる場合があります。
計画的に進めることで、焦らずに手続きを進められます。
緊急に会社を設立しなければならない状況となったケースにも対応しておりますが、急ぎの時こそ落ち着いて手順を確認することが必要です。
各ステップの所要時間目安
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準備期間: 1週間〜1ヶ月(商号・目的決定、印鑑証明取得など)
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定款作成・認証: 数日〜1週間前後(公証役場の予約状況次第で多少の前後あり)
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資本金払い込み: 1日
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登記申請・完了: 1週間〜2週間
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設立後の届出: 設立後、順次
具体的な目標日を定め、逆算してスケジュールを立てることで、効率的に手続きを進めることができます。
急ぎの場合は専門家に相談してスケジュール管理をしてもらうと、最短期間での会社設立が可能です。
必要な費用を把握する
会社設立には、様々な費用がかかります。事前に費用の内訳を把握し、資金計画を立てておくことが重要です。
設立費用
株式会社設立の場合、主に以下の費用が発生します。
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登録免許税: 資本金の0.7%または15万円のいずれか高い方(最低15万円)
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定款認証手数料: 約5万円(公証役場)←資本金によって増減
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謄本交付手数料: 約2,000円
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印鑑作成費用: 数千円〜数万円
これらに加えて、専門家に依頼する場合は報酬が発生します。
設立後のランニングコスト
会社設立後も、法人住民税の均等割(年間約7万円)、社会保険料(従業員がいる場合)、税理士顧問料など、様々なランニングコストが発生します。
これらを事前に把握し、事業計画に盛り込んでおくことが大切です。
まとめ
名古屋で会社を設立する際の全体像、具体的な手続きのロードマップ、そしてスムーズに進めるためのポイントについて解説しました。
会社設立は確かに複雑な手続きを伴いますが、正しい手順を踏み、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、確実に実現できます。
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