卵(計画)が先か、鶏(お金)が先か?について
こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。
「事業計画を立てたいけど、融資の金額がわからないと計画が進まない…」「でも、融資の相談をしたら、まずは計画を立ててこいと言われる…」
事業を始めようとするとき、多くの経営者が「卵が先か鶏が先か」のような堂々巡りの悩みに直面します。
特に、創業融資の場面では、「ちゃんとした事業計画がないと融資は受けられない。でも、融資額が決まらないと、具体的な事業計画が立てられない」というジレンマに陥りがちです。
この記事では、この「卵と鶏」の難問を解決し、事業融資を成功させるための考え方と、具体的な進め方を税理士の視点から解説します。
あなたの事業をスムーズにスタートさせるためのヒントを、ぜひ見つけてください。
「卵と鶏」のジレンマ:融資と事業計画の密接な関係
事業計画と融資は、切っても切り離せない関係にあります。この両者は、どちらが先でも後でもなく、相互に影響し合う存在です。
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(卵)事業計画:あなたの事業のビジョン、戦略、そして収支を具体的に示すものです。
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(鶏)融資額:事業計画を実行するための資金です。
多くの方が陥る間違いは、「事業計画=融資を受けるための書類」だと考えてしまうことです。
しかし、融資担当者は、事業計画を通じて「この経営者は、どれだけ本気で事業を成功させようとしているか」という熱意と、計画の「実現可能性」を見極めています。
このジレンマを乗り越えるには、まず「事業計画の仮説を立てること」が重要です。
「卵」を先に創る:事業計画の仮説を立てる
融資額が未定でも、まずはあなたの「やりたいこと」を具体的な数字に落とし込んだ仮の事業計画を作成しましょう。
この段階では、完璧である必要はありません。重要なのは、以下の要素を明確にすることです。
1. 資金の使い道(資金使途)
融資を何に使うのか、具体的な項目と金額を洗い出します。
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設備資金:内装工事、機械設備、什器・備品など
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運転資金:人件費、家賃、仕入れ費、広告費など
この時点で、「もし〇〇円の融資が受けられたら」という前提で、必要な設備や人員を想定してみましょう。
2. 収支計画(売上と利益の予測)
資金使途と合わせて、どのくらいの売上と利益を出す必要があるのかを予測します。
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売上予測:市場規模や競合店の情報、ターゲット層の客単価などを基に、現実的な月次売上をシミュレーションします。
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コスト予測:人件費、家賃、仕入れ原価などの固定費・変動費を詳細に計算し、必要な利益額を算出します。
この作業を通じて、あなたは「事業を成功させるために必要な資金は〇〇円、そしてそのために必要な利益額は〇〇円だ」という具体的な目標を持つことができます。
これが、融資の相談をするための最初の「卵」となります。
融資を成功させる「鶏」を育てるステップ
仮の事業計画(卵)ができたら、いよいよ融資という「鶏」を育てる段階です。
ステップ1:税理士への相談
事業計画の仮説ができたら、すぐに日本政策金融公庫に相談するのではなく、まずは創業融資に詳しい税理士に相談することをお勧めします。
専門家は、あなたの事業計画が融資担当者の目線から見てどこに弱点があるか、そしてどの部分を強化すべきかを客観的に判断できます。
ステップ2:事業計画のブラッシュアップ
税理士の助言をもとに、事業計画書をブラッシュアップします。
特に、自己資金の形成過程や、売上予測の根拠など、説得力を持たせるための情報を追加していきます。
ステップ3:日本政策金融公庫への申し込みと面談
ブラッシュアップした事業計画書を持って、日本政策金融公庫に申し込みます。
面談では、事業計画書の内容を自分の言葉で熱意を持って語ることが重要です。
ここでのあなたの熱意と、計画の実現可能性が評価されます。
まとめ
「計画が先か資金が先か」という難問は、「まずは事業計画の仮説を立てる」というアプローチで解決できます。
完璧でなくても構いません。あなたの事業に対する熱い想いを、具体的な数字に落とし込むことから始めてみましょう。
そして、その計画という「卵」を専門家に見てもらうことで、融資という「鶏」が生まれ、あなたの事業を大きく羽ばたかせる力となります。
名古屋起業スタートビジョンラボでは、創業したての方向けに、日本政策金融公庫をはじめとした創業融資はもちろんのこと、幅広くトータルサポートを承っており、融資についてのご相談からご提案までさせていただいております。気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。