創業融資が否決されたら?資金繰りの立て直しについて
こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。
「日本政策金融公庫の創業融資で不承認だった…」「手持ちの現金が薄いのに、資金繰りをどうしたらいいんだ?」
資金調達の要として期待していた日本政策金融公庫からの融資が否決されると、多くの経営者は途方に暮れてしまいます。
しかし、一度の否決で諦める必要はまったくありません。
否決には必ず理由があり、その理由を正しく理解して対策を講じれば、再チャレンジは十分に可能です。
この記事では、創業融資の融資審査に落ちてしまった経営者の皆様へ、次に取るべき行動、資金繰りの立て直し方、そして再チャレンジを成功させるための具体的なポイントを専門家の視点から解説します。
なぜ融資が否決されたのか?考えられる3つの理由
まず最初にお伝えしたい事として、日本政策金融公庫は創業支援には非常に前向きです。
それでも創業融資の審査通過率はおよそ50%と言われており、2人に1人は否決(もしくは減額)となります。
融資の否決理由は金融機関から具体的に伝えられることは稀ですが、その原因は主に以下の3つに集約されます。
1. 事業計画そのものの問題
事業の設計図である「事業計画書」に、客観的な説得力がないと判断されたケースです。
-
収益性の問題: 売上予測や利益計画が楽観的すぎたり、その根拠が曖昧で「本当に儲かるのか?」という点に疑問符が付いた。
-
資金使途の不明確さ: 借りたお金の使い道が曖昧で、「本当にその金額が必要なのか?」という妥当性が示せなかった。
-
返済能力の不足: 計画上の利益では、融資の返済を継続していくことが困難だと判断された。
2. 経営者自身の経験・資質の問題
事業を遂行する「経営者自身」に、事業を成功させるだけの能力や熱意があるのかを疑問視されたケースです。
-
事業経験の不足: 創業する事業分野での経験やスキルが乏しく、「この人に任せて大丈夫か?」と判断された。
-
面談での印象: 面談で事業への熱意が伝わらなかったり、自身の事業計画への理解が浅いと見なされた。
3. お金に関する問題
事業以前に、経営者の「お金に対する姿勢」や状況が原因で否決されるケースです。これは非常に重要なポイントです。
-
自己資金の問題: 自己資金が極端に少ない、または全くない場合、「創業への準備不足・計画性の欠如」と見なされます。
また、申込直前に親族などから一時的に借り入れた「見せ金」は、通帳の履歴から必ず発覚し、信頼を大きく損ないます。 -
個人信用情報の問題: クレジットカードやローンの支払遅延など、個人の信用情報に傷(異動情報)がある場合、審査通過は極めて困難になります。
これは経営者個人の誠実性を判断する材料となります。
否決後の次のステップ:資金繰りの立て直し
否決の連絡が来たら、まずは冷静になりましょう。
そして、以下の3つのステップで資金繰りを立て直し、次の対策を練りましょう。
ステップ1:否決理由を分析し、創業計画を修正する
まずは、ご自身の状況を、先ほど解説した『否決の3つの理由(事業計画・経営者自身・お金の問題)』に照らし合わせてみましょう。
その上で、専門家である税理士に相談し、客観的な分析を依頼するのが理想的です。
創業計画の内容、資金状況、信用情報など、様々な角度から見直し、分析結果に基づいて、売上予測や資金計画を、より現実的なものに修正します。
この冷静な分析こそが、次の資金調達を成功させる鍵となります。
ステップ2:手元の現金を増やす努力をする
融資がなくても事業を進められるよう、コスト削減や売上向上に努め、資金繰りを改善しましょう。
-
無駄なコストを徹底的に削減: 家賃や人件費、仕入れの見直しなど、支出を抑える努力をします。
-
売上を増やす工夫: 広告宣伝を工夫したり、新規顧客開拓に力を入れたりして、収益を増やしましょう。
-
自己資金の積み増し: 再チャレンジに向けて、自己資金をコツコツと貯めることを始めましょう。
ステップ3:再チャレンジか、別の道を検討する
資金繰りを改善し、十分に準備が整ったら、再チャレンジを検討します。
-
再チャレンジ: 創業融資の再申込は、半年以上の期間を空けるのが一般的です。
その間に、事業の実績を積み、改善点を明確にすることで、前回よりも融資審査に通りやすくなります。 -
他の資金調達方法: 日本政策金融公庫以外にも、信用保証協会の保証付き融資や、補助金・助成金など、他の資金調達方法を検討するのも一つの手です。
そもそも、このような事態を避けるための申請戦略については、次回記事→「【創業融資の鉄則】日本政策金融公庫一本槍は危険!成功率を高めるリスクヘッジ術」をご覧ください
まとめ
日本政策金融公庫への創業融資が否決されたとしても、それは決して「事業が失敗する」ことを意味するわけではありません。
否決を前向きに捉え、その理由を正しく分析し、改善することで、あなたの事業はより強固なものになります。
まずは冷静に否決理由を分析し、足元の資金繰りを固め、そして万全の準備で再チャレンジに臨みましょう。
名古屋起業スタートビジョンラボでは、創業計画の見直しから資金調達の再チャレンジまで、融資が否決された方へのサポートを行っております。
一人で悩まずに、ぜひ一度ご相談ください。