利益がでてるっていうけど、お金がありません!
利益が出ているのに手元に現金がない理由とその対策
経営者として、決算書を見たときに「利益が出ている」と知って安心する一方で、実際の資金繰りが厳しいと感じることがあるかもしれません。「利益が出ているはずなのに、なぜ手元にお金がないのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。今回は、その理由と対策について、わかりやすく解説します。
1. 利益とキャッシュフローの違い
まず理解しておくべきは、「利益」と「キャッシュフロー」は別物だということです。利益は、売上から経費を差し引いた金額を指しますが、これはあくまで会計上の数字です。一方、キャッシュフローは実際に手元に残る現金の流れを示しています。利益が出ていても、キャッシュフローがマイナスであれば、資金繰りが厳しくなる可能性があります。
2. 売掛金の影響
多くの場合、利益が出ているにもかかわらず、手元にお金がない原因の一つに「売掛金」があります。売掛金とは、商品やサービスを提供したけれど、まだ代金を受け取っていない未収金のことです。売上として計上されても、実際に現金が手元に入るまではキャッシュフローには反映されません。このため、売掛金の回収が遅れると、利益はあっても資金繰りが厳しくなることがあります。
対策としては、売掛金の管理を徹底し、早期の回収を目指すことが重要です。クレジット管理の強化や、取引条件の見直しを行い、支払い期限の短縮を図ることで、キャッシュフローを改善することができます。
3. 在庫の管理不足
在庫もまた、利益は計上されているのに現金が不足する原因となり得ます。商品が売れて在庫が減らない限り、現金は手元に戻ってきません。特に、過剰在庫や不良在庫が多いと、資金が在庫に拘束されるため、キャッシュフローが悪化します。
在庫管理を効率的に行うことで、このリスクを軽減できます。需要予測を正確に行い、適正在庫を維持することが大切です。また、不要な在庫を迅速に処分し、現金化することも重要です。
4. 設備投資や借入金返済
大規模な設備投資や借入金の返済も、利益が出ているにもかかわらず手元に現金がない原因の一つです。設備投資は長期的には利益を生む可能性がありますが、初期投資が大きい場合、短期的には資金繰りを圧迫します。同様に、借入金の返済もキャッシュフローに直接影響を与えます。
これらの影響を考慮した上で、設備投資や借入金の返済計画を慎重に立てることが重要です。投資のタイミングを見極め、返済負担を軽減するための資金計画を立てることで、資金繰りを安定させることができます。
5. キャッシュフロー経営の重要性
最終的に、利益だけでなくキャッシュフローに注目する「キャッシュフロー経営」を行うことが、健全な経営には欠かせません。定期的にキャッシュフロー計算書を確認し、現金の流れを把握することで、資金繰りの問題を未然に防ぐことができます。また、利益とキャッシュフローのバランスを考慮しながら、経営判断を行うことが大切です。
利益が出ているのに手元に現金がないという問題は、多くの企業で発生します。しかし、その原因を理解し、適切な対策を講じることで、資金繰りの改善が可能です。キャッシュフローを意識した経営を心がけ、安定したビジネス運営を目指しましょう。