ネット銀行を事業用のメインバンクに?

 

中小企業経営者が知っておくべきネット銀行の預金と事業融資の知識

 

こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。

「手数料が安いって聞くけど、ネット銀行って本当に事業で使えるの?」 「メインバンクにするのは不安だけど、サブ口座としてどうだろう?」

近年、実店舗を持たないネット銀行(オンラインバンク)の利用者が増えています。

個人利用のイメージが強いかもしれませんが、中小企業や個人事業主の間でも、その利便性から注目度が高まっています。

しかし、従来の銀行とは何が違い、事業のお金とどう付き合っていけばいいのか、迷っている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、ネット銀行の預金と事業融資について、そのメリット・デメリットから、従来の銀行との使い分け方、そして今後の展望まで、中小企業経営者が知っておくべき知識を専門家が解説します。

この記事を読めば、あなたはネット銀行を経営に最大限に活用するためのヒントを得られるでしょう。

 


 

なぜネット銀行が増えている?その仕組みとメリット・デメリット

 

ネット銀行は、実店舗を持たず、インターネット上の取引に特化することで、低コストでの運営を実現しています。

この低コスト構造が、経営者にとって大きなメリットとなります。

 

メリット1:圧倒的なコストメリット

ネット銀行の最大の魅力は、その手数料の安さです。

  • 振込手数料が安い: ネット銀行では、他行宛ての振込手数料が数十円〜数百円と、従来の銀行に比べて格段に安く設定されています。

  • ATM手数料が無料: コンビニATMや提携銀行のATMを、回数制限付きで無料で利用できるサービスが一般的です。

これらのコストメリットは、経費を少しでも抑えたい中小企業や個人事業主にとって、年間で数万円〜数十万円の節約につながることも珍しくありません。

 

メリット2:利便性とスピード

  • 24時間365日いつでも取引可能: 従来の銀行のように、窓口の営業時間に縛られることなく、いつでもどこでも経理業務が行えます。

  • スピーディーな手続き: 口座開設から振込、融資の申し込みまで、多くの手続きがオンラインで完結します。

最近は実店舗の金融機関でも各社ネットバンキングサービスを展開していますので、このメリットは実店舗でも享受できます。

 

デメリット:対面相談とサービスの限定性

  • 対面での相談ができない: 資金繰りの相談や事業計画の相談など、担当者と顔を合わせてじっくり話すことができません。

  • 融資の種類が限定的: 創業融資や、特定の目的(設備資金など)の融資は、まだ従来の銀行の方が選択肢が多く、融資の金額も限定される傾向があります。

この点が実店舗との差になります。

個人利用においてはそこまで大きな問題にはならないでしょうが、このデメリットをどう捉えるかで、活用方法が変わってきます。

 


 

結局、ネット銀行はメインバンクにすべきか?【結論:サブ口座が最適解】

 

ネット銀行の預金口座をどのように使うべきか、その活用法を解説します。

 

メインバンクとして使うのは慎重に

結論から言うと、ネット銀行をメインバンクとして使うのは、創業当初や小規模な事業では避けるべきです。

なぜなら、事業を成長させるためには、融資という強力な武器が必要となるからです。

 

従来の地方銀行や信用金庫は、担当者との信頼関係を築くことで、融資相談や経営課題の解決をサポートしてくれます。

しかし、ネット銀行ではこうした対面でのコミュニケーションが難しく、融資の相談をしても、「まずは事業計画書を提出してください」といった画一的な対応になりがちです。

 

サブ口座としての活用が賢い選択

ネット銀行は、メインバンクの代わりに決済用のサブ口座として利用するのに最適です。

  • 経費決済用: 経費の支払いや、仕入れ先の振込専用口座として利用します。これにより、メインバンクの残高を事業の運転資金として管理しやすくなります。

  • 小口決済用: 少額の振込や、手数料を抑えたい取引に利用します。

 


 

補足:ネット銀行の「事業融資」はどこまで使える?【AI融資の現状と未来】

 

ネット銀行の事業向け融資は、AI審査を活用したスピーディーな「トランザクションレンディング」が主流となりつつあります。

これは、従来の対面審査とは異なり、日々の口座の入出金データなどを基に与信判断を行う融資モデルです。

 

ネット銀行の主なAI融資サービス

 

ネット銀行各社は、それぞれ特色のあるAI融資サービスを展開しており、特に創業間もない企業や小規模事業者の短期的な資金ニーズに応えています。

銀行名 サービス名 主な特徴
GMOあおぞらネット銀行 あんしんワイド 決算書や事業計画書が不要で、銀行口座の直近3ヶ月分の入出金明細をもとにAIが審査。
最短2営業日で最大1,000万円の融資枠を設定可能。
楽天銀行 楽天スーパービジネスローン

楽天市場の出店者向けなど、楽天経済圏での取引実績を重視。
決算書が不要な場合もあり、最短翌営業日の融資も可能。

住信SBIネット銀行 dayta(デイタ) 決算書や面談が不要。
法人口座の利用履歴(トランザクション)データに基づき、借入可能な条件が毎月通知されるレコメンド型。
PayPay銀行 ビジネスローン 個人事業主も対象。
Web完結で申し込みが可能で、上限金利が比較的低めに設定されている点が特徴。

 

AI融資の今後の展望

 

AIを活用したネット銀行の事業融資は、今後さらに進化し、中小企業の資金調達における重要な選択肢となっていくことが見込まれるでしょう。

 

  • 審査のさらなる高速化:
    AIによるデータ分析能力の向上により、申し込みから融資実行までの時間が数時間、将来的には数分単位にまで短縮される可能性があります。

 

  • 「見えない信用力」の可視化:
    Webサイトのアクセス数、SNSでの評判、ECサイトの顧客レビューといった、従来の決算書には表れない「非財務データ」をAIが分析し、新たな与信判断の材料とする動きが加速すると考えられます。
    これにより、設立間もない企業でも事業の将来性を評価されやすくなる一方、事実無根の悪評であっても組織的に多数投稿されれば、企業の評判が実際に低下しているとAIが判断してしまう可能性があるため、オンライン上の評判も企業の重要な資産と捉え、積極的に管理していく必要があります。

 

  • データに基づいた経営への移行:
    AI審査が主流になることは、経営者にとって「どんぶり勘定」からの脱却を促す機会となります。日頃から会計ソフトと銀行口座を連携させ、リアルタイムで経営数値を把握する「データに基づいた経営」を実践することが、未来の有利な資金調達に直結します。

 

 これらのことから、今後事業者には誠実な経営努力がデータを通じて、「AIに評価される時代が到来すると考えられています。

 


 

まとめ:事業を成長させるネット銀行との「賢い付き合い方」

 

ネット銀行の事業融資は、スピーディーで手軽な資金調達方法として、今後さらに重要になっていくでしょう。

しかし、創業当初の融資や、事業の根幹に関わる資金調達では、担当者と信頼関係を築ける従来の金融機関も依然として重要な存在です。

 

ネット銀行は決済用口座や少額融資に活用し、従来の銀行はメインバンクとしてじっくりと信頼関係を築く。

この賢い使い分けが、安定した経営と事業の成長への鍵となります。

 

名古屋起業スタートビジョンラボでは、お客様の事業に最適な金融機関選びから、融資のサポートまで一貫して支援しています。

少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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