なぜ私は融資審査に落ちた?「5つの不合格フラグ」とは
公庫担当者が見ている「5つの不合格フラグ」の自己診断チェックリスト
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
前回の第1回では、日本政策金融公庫の融資審査に落ちた直後に「すべき事」と「NG行動」について解説しました。
ショックな状態から少し落ち着き、「さて、次へ進もう」と冷静さを取り戻しつつある頃かもしれません。
そして今、融資が通らなかった方は
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「結局、なぜ自分は審査に落ちたんだろう?」
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「担当者はヒントをくれたけど、決定的な理由が分からない…」
と、具体的な原因を探し始めているのではないでしょうか。
全3回シリーズの第2回となる今回は、日本政策金融公庫の融資担当者が特に厳しくチェックする「審査落ちの代表的な理由(=不合格フラグ)」を、5つの自己診断チェックリスト形式で徹底解説します。
この記事を読めば、あなたの前回の申請で「何が足りなかったのか」を客観的に自己診断でき、次の再申請に向けた具体的な改善点(弱点)が明確になります。
「今度こそ融資を成功させたい」方は、ぜひ最後までじっくりお読みください!
前回のコラムをご覧でない方はこちらもご覧ください:【審査に落ちた方へ】お見送り通知…直後に絶対すべき事とは
融資審査は「減点方式」?担当者が見ている不合格フラグとは
日本政策金融公庫の融資審査は、「事業の将来性」や「経営者の情熱」といった「加点方式」の側面と同時に、「これがあると貸せない」という明確な「減点方式(不合格フラグ)」の側面を強く持っています。
どれだけ素晴らしいビジネスモデルを持っていても、たった一つの致命的なフラグが立っているだけで、審査を通過することはできません。
融資担当者は、「貸せる理由」と同時に「貸せない理由(リスク)」も探しています。
再挑戦を成功させる第一歩は、まず「自分がどのフラグに抵触してしまったのか」を知ることです。
【自己診断】公庫担当者が見る「5つの不合格フラグ」チェックリスト
審査に落ちた原因は、一つとは限りません。「自己資金も足りないし、事業計画書も甘かった」など、複数の要因が絡んでいるケースも多いです。
以下の5つの項目で、前回の申請内容が該当していなかったか、厳しくチェックしてみてください。
フラグ1:「自己資金」が不足している、または「見せ金」を疑われた
自己資金は、融資審査において「事業への本気度」と「計画性」を示す最も重要な指標です。
▼このような点に該当していませんか?
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開業に必要な資金総額(設備資金+運転資金)のうち、自分で用意した自己資金の割合が1/10未満など、極端に低かった。
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申請の直前(1ヶ月以内など)に、親族や友人から振り込まれたお金が自己資金の大半を占めていた(=「見せ金」と判断された)。
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自己資金(通帳)の履歴を見たとき、毎月コツコツ貯蓄した形跡がなく、「タンス預金を入れてきた」など、出所が不明瞭なお金が多かった。
▼担当者の視点
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「これだけ自己資金が少ないということは、事業への本気度が低いのでは?」
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「計画的にお金を貯められない人が、事業を計画的に運営し、返済を継続できるだろうか?」
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「この入金は一時的に借りてきた『見せ金』の可能性が高いな。これでは本当の自己資金とは言えない。」
フラグ2:「事業経験(専門性)」が不足している
日本政策金融公庫は、ボランティアではなく金融機関です。
「その事業のプロフェッショナル」だからこそ、成功する可能性が高いと判断し、融資を実行します。
▼このような点に該当していませんか?
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創業計画書の「経歴」欄に、今回始める事業と「関連する職務経歴」を具体的に書けなかった。(例:飲食業の経験が全くないのに、いきなりカフェを開業しようとした)
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前職と全く異なる業界で起業するのに、その業界で成功できるだけの「明確なスキル」や「学習の証拠(資格など)」を示せなかった。
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関連する業界での経験年数が極端に短い(例:半年未満など)。
▼担当者の視点
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「経験もないのに、この強気な売上予測をどうやって達成するんだろう?」
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「事業が困難にぶつかった時、この人には業界知識やノウハウがないから乗り越えられないのでは?」
フラグ3:「信用情報」に傷がある(CIC・JICC)
これは、審査落ちの理由として最も致命的、かつ自分では気づきにくいフラグの一つです。
▼このような点に該当していませんか?
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過去5年以内に、クレジットカードの支払いを延滞(数日の遅れでも数回あると危険)したことがある。
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携帯電話本体の「分割払い(割賦契約)」の支払いを遅延させたことがある。(これは意外な落とし穴で、信用情報に記録されます)
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消費者金融からの借入が現在残っている、または過去に延滞した履歴がある。
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銀行のカードローンや、奨学金の返済を延滞したことがある。
▼担当者の視点
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「プライベートのお金(クレジットカードや携帯代)の管理すらできない人が、事業の大きなお金を管理できるわけがない。」
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「この人は『お金にルーズ』な人だ。貸しても返済が滞るリスクが非常に高い。」
(※信用情報に傷がある場合、事業計画書の内容に関わらず、審査通過は極めて困難になります)
フラグ4:「事業計画書」が甘い(特に売上予測の根拠)
「事業計画書 甘い」は、審査落ちの理由として非常に多いものです。
事業の設計図が杜撰(ずさん)であれば、その事業は成り立たないと判断されます。
▼このような点に該当していませんか?
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売上予測が「希望的観測」だった。(例:「月商100万円」と書いたが、その内訳である「客単価×客数」の根拠=市場調査や競合調査のデータがなかった)
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経費の見積もりに「漏れ」が多かった。(例:社会保険料の会社負担分、広告宣伝費、消耗品費、予備費などが計上されていなかった)
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競合調査が甘く、「他にはないサービス」「アットホームな雰囲気」など、抽象的で主観的な「強み」しか書かれていなかった。
▼担当者の視点
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「この売上予測の根拠はどこにあるんだろう?これでは『願望』だ。」
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「必要な経費が漏れている。この計画では、間違いなく3ヶ月後には資金ショートするな。」
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「事業を真剣に分析・計画しているとは思えない。」
フラグ5:「面談」での受け答えに一貫性・具体性がなかった
面談は、計画書の内容が「本物」かどうか、そして経営者本人の「人柄」や「事業への情熱」を確認する最後の砦です。
▼このような点に該当していませんか?
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面談で、自分で作成したはずの事業計画書や資金繰り表の内容について質問され、しどろもどろになったり、答えられなかったりした。
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売上予測の根拠(なぜその客数が見込めるのか?)を聞かれた際、「頑張ります」「お客様との縁を大切にします」といった精神論で答えてしまった。
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「なぜ、会社員ではなく、独立してまでこの事業をやりたいのですか?」という「創業の動機」を、自分の言葉で熱意を持って語れなかった。
▼担当者の視点
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「この計画書は、自分で作ったのではなく、誰か(税理士など)に丸投げして作ってもらっただけだな。」
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「計画への理解が浅い。これでは事業運営も行き当たりばったりになりそうだ。」
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「この人は信頼できない。事業への情熱も感じられない。」
複数のフラグに該当…どうすればいい?
自己診断の結果、いかがでしたでしょうか。
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「フラグ1(自己資金)とフラグ4(計画書)に当てはまるかも…」
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「もしかしたらフラグ3(信用情報)が原因かもしれない…」
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と、複数のフラグに該当し、さらに落ち込んでしまったかもしれません。
しかし、落ち込む必要はありません。 むしろ、「改善すべき弱点が明確になった」と前向きに捉えるべきです。
審査に落ちた理由が分からないままでは、次も同じ失敗を繰り返してしまいます。
「自己資金を貯め直す」「信用情報をきれいにする」「事業計画をゼロから練り直す」という、具体的な「次のアクション」が見えたことこそが、今回の最大の収穫です。
自己診断が難しい…税理士に相談する「客観的分析」のメリット
「チェックリストを見ても、自分の計画書が『甘い』のかどうか、客観的に判断できない」 「信用情報に傷があるか不安だけど、調べ方が分からない」
このように、自己診断だけでは「本当の敗因」を特定するのが難しいケースも多々あります。
特に「事業計画書の甘さ」や「面談での落ち度」は、ご自身では気づきにくいものです。
そんな時こそ、私たち創業支援専門の税理士にご相談ください。
1. 客観的な視点での「敗因分析」
私たちは、日常的に日本政策金融公庫の担当者とやり取りをしており、「どのような計画書が評価され、どのような計画書がNGとなるか」を熟知しています。
提出した書類一式と面談の状況をお伺いすることで、公庫の視点に立ち、「今回の決定的な敗因は、おそらくここです」と客観的に分析することが可能です。
2. 改善の「優先順位付け」
もし弱点が複数ある場合、「何をどの順番で改善すべきか」の優先順位付けが重要です。
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「信用情報に傷があるなら、何よりもまずその解消が最優先です。計画書を直すのはその後です」
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「自己資金は十分なので、次は売上予測の根拠を徹底的に固めましょう」
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このように、再申請に向けた最短ルートをご提案します。
3. 「信用情報(CIC等)」の確認サポート
信用情報(CIC、JICC)は、ご自身で開示請求が可能です。
その手続きの方法をお伝えしたり、開示された情報の内容を一緒に確認し、「この延滞記録が影響していますね」と特定するサポートも行っています。
まとめ(第2回の振り返りと第3回への予告)
今回は、日本政策金融公庫の審査に落ちた主な原因となる「5つの不合格フラグ」について、自己診断チェックリスト形式で解説しました。
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審査落ちの原因は、主に5つのフラグ(自己資金、事業経験、信用情報、事業計画書の甘さ、面談)に集約されます。
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まずはこれらのフラグで自己診断し、「なぜ落ちたか」という弱点を直視することが重要です。
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原因が特定できれば、落ち込む必要はありません。それは「改善点が見つかった」ということに他なりません。
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客観的な敗因分析が難しい場合は、税理士などの専門家に相談し、弱点を明確にしましょう。
さて、ご自身の「弱点」は見つかったでしょうか?
次回、【融資審査に落ちた方へ 第3回(最終回)】では、今回特定した「弱点」を具体的にどう克服し、「半年後の再申請」を成功に導くか。
そのために「今から積み上げるべき事業実績の作り方」を徹底解説します。
起業スタートビジョンラボでは、創業したての方向けに、日本政策金融公庫をはじめとした創業融資はもちろんのこと、幅広くトータルサポートを承っており、融資についてのご相談からご提案までさせていただいております。気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。

