【連載Vol.3】「これって経費に入る?」の判断基準
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
「書類は集めた! 月別に分けた! さあ、入力するぞ!」 と意気込んだものの、開始5分で手が止まってしまう……。
そんな経験はありませんか?
その原因のほとんどは、手元のレシートを見て「あれ? これって経費に入れていいんだっけ?」と迷ってしまうことにあります。
「スタバで仕事した時のコーヒー代は?」 「仕事用のスーツは?」 「コンビニのお茶は?」
いちいち検索していたら、時間はいくらあっても足りません。
第3回目は、そんな迷いをスッキリ解消する「経費の判断ルール」をお伝えします。
ルールはたった1つ。「売上のため」と言えるかどうか
税金の法律は複雑ですが、経費の基準はとてもシンプルです。 究極的には、この1点だけをご自身に問いかけてみてください。
「この出費は、事業の売上をつくるために必要だったか?」
- YESなら … 「経費」です。
- NO(プライベートな楽しみ)なら … 「家計(自腹)」です。
これを踏まえて、よくある「迷いやすい経費」を見ていきましょう。
ケース1:カフェ代(スタバ・ドトール等)
フリーランスやノマドワーカーの方にとって、一番身近な疑問ですよね。
【○ 経費になる】
- クライアントとの打ち合わせ(会議費)。
- 自宅では集中できないため、「作業場所」として利用した(会議費・雑費)。
【× 経費にならない】
- 純粋な休憩や、友人とのプライベートなお茶。
【判断のコツ】 コーヒーそのものではなく、「仕事をする場所と時間」にお金を払ったと言えるなら経費です。
ただし、ケーキやサンドイッチなどの「食事」がメインになると、「個人的な飲食」とみなされやすくなるので注意しましょう。
ケース2:スーツ・メガネ・腕時計
「仕事でしか着ないから経費にしたい!」というお気持ち、とてもよく分かります。
ですが、ここは少し慎重になる必要があるポイントです。
【× 基本的には難しい】
- 一般的なスーツ、メガネ、腕時計。
【判断のコツ】 これらは「プライベートでも使える(冠婚葬祭など)」とみなされることが多く、経費として認めてもらうハードルは意外と高いのが現実です。
逆に、「作業着」や「ロゴ入りの制服」、「舞台衣装」など、明らかに業務専用で私生活では着られないものであれば、堂々と経費にできます。
ケース3:一人での食事代(ランチ・ディナー)
「腹が減っては戦ができぬ」と言いますが……。
【× 基本的には難しい】
- コンビニ弁当、いつもの定食屋での一人ランチ。
【判断のコツ】 食事は、仕事をしていなくても人間が生きていくために必要な出費(家事費)と考えられます。
ただし、「出張先での食事」や、「取引先との会食(接待交際費)」、「会議を行いながらのお弁当(会議費)」など、仕事が絡む場合は経費になります。
万が一の時にあなたを守る「魔法のメモ」
それでも、「これは絶対に仕事に必要だったんだ!」という出費はあると思います。
そんな時は、そのレシートの裏(または空きスペース)に、その場ですぐにメモを書いておいてください。
- 誰と?(例:〇〇商事の佐藤様と)
- 何のために?(例:新規プロジェクトの打ち合わせで)
このメモがあるだけで、ただのレシートが「事業活動の証拠書類」に進化します。
数年後に税務署から「これは何ですか?」と聞かれた時、あなたの記憶は消えていても、このメモが「これは会議でした」と雄弁に語ってくれます。
【EX】「知り合いは経費にしてた」は信じて大丈夫?
経費の判断に迷った時、つい頼りたくなるのが「先輩経営者」や「知り合い」の情報です。
「あそこの社長は、あれを経費にしてるらしいよ」 そんな話を聞くと、「じゃあ自分も!」と思いたくなるのが人情です。
ですが、私たち税理士としては、その言葉を鵜呑みにするのは少し心配です。
なぜなら、それぞれの会社で状況は違いますし、万が一の時にその「知り合い」が責任を取ってくれるわけではないからです。
私たちはプロとして、お客様に「後で困るようなこと」になってほしくありません。
だからこそ、「それはリスクが高いですよ」と、あえて慎重なアドバイスをさせていただくことがあります。
もちろん、最終的な決定権は経営者である皆様にあります。
リスクを理解された上で「それでも計上する」というご要望があれば、私たちはその通りに処理いたします。
ただ、「目先の税金を少し安くする」ために、もっと大切な「会社の信用」や「安全性」を失ってしまっては本末転倒です。
甘い噂話ではなく、確かな知識でご自身の大切な事業を守っていきましょう。
まとめ:迷いすぎるレシートは「手放す」勇気を
経費入力で迷ったら、こう自問自答してみてください。
「税務署の方に、自信を持って『これは仕事に必要でした』と説明できるかな?」と。
「うーん、ちょっと苦しいかも…」 そう思うようなレシートは、思い切って手放す(経費に入れない)のも一つの賢い戦略です。
数百円の微妙な経費で悩んで何時間も使うより、サッと入力を終わらせて、次の売上を作る時間に充てる方がよほど健全です。
次回、Vol.4では、いよいよ実践編! 手書きやエクセルはもう卒業?「会計ソフトと銀行連携で、入力を秒速で終わらせる【ツール編】」をお届けします。
便利な道具を使って、時間を買いましょう!
【判断に迷ったらプロの基準を】
「うちは特殊な業種だけど、これは経費になる?」 「高額な買い物をしたいけど、どう処理すればいい?」
独自の判断が不安な方は、ぜひ起業スタートビジョンラボにご相談ください。
あなたの事業に合わせた適正で安全な経費ラインをアドバイスいたします。

