【追加融資ガイド⑥】金融機関を味方にする3つの原則
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
全6回にわたりお届けしてきた『事業拡大のための「賢い追加融資」完全攻略ガイド』も、いよいよ今回が最終回です。
これまで、マインドセットや審査のポイント、相談先の選び方などをお伝えしてきました。
最後のテーマは、「融資実行後の付き合い方」です。
融資は受けて終わりではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。
今回は、一度築いた金融機関(公庫や銀行)との関係をさらに深め、会社の5年後、10年後を支える「財務的なパートナー」になってもらうための3つの原則をお伝えします。
今年の締めくくりとして、是非来年の経営に取り入れてみてください。
原則1:「悪い報告」ほど、自分から速やかに
金融機関の担当者が最も不安に思うのは、実は「事業の失敗」そのものではありません。
「うまくいっていない時に、状況が見えなくなる(連絡が取りづらくなる)こと」です。
◆ 信頼を深める「報告」のコツ
経営をしていると、どうしても計画通りにいかない月はあります。 そんな時こそ、信頼を積み上げるチャンスです。
- 理想的なアクション: 試算表が出た直後、自分から担当者に連絡する。 「今月は計画比マイナス〇〇円でした。原因は〇〇ですが、対策として〇〇を始めています」
都合の悪い情報を隠さず、原因と対策をセットで報告してくれる経営者に対し、担当者は「この社長は逃げずに問題に向き合っている」と強い信頼を寄せます。
「良い報告はメールで、悪い報告こそ対面で」。この姿勢が、担当者をあなたの応援団に変えます。
原則2:「お金が不要な時」にこそ、会いに行く
困った時だけ相談に行くのではなく、「何もない時」のコミュニケーションが関係性を劇的に良くします。
ベストなタイミングは、「決算(確定申告)が終わった直後」です。
◆ 「決算報告」という最強のツール
「融資のお願い」ではなく、「今期の報告」として訪問してみてください。これには3つのメリットがあります。
- 誠実さが伝わる: 「数字をきちんと開示してくれる会社だ」という安心感が生まれます。
- 本音が聞ける: 審査の場ではないので、担当者もリラックスして「来期はここに注意してくださいね」といった有益なアドバイスをくれます。
- 次への種まきになる: 「来期は新店舗を考えていて…」と雑談レベルで共有しておくことで、いざ融資が必要になった際の話がスムーズに進みます。
最低でも年に1回、決算書を持って笑顔で挨拶に行く。これだけで、いざという時の対応が全く違ってきます。
原則3:「当たり前の約束」を大切にする
最後は基本中の基本ですが、最も大切なことです。
金融機関との信頼関係は、日々の小さな「約束」の積み重ねでできています。
- 返済日の管理 :「うっかり残高不足」は、ご自身が思う以上に信用スコアに影響します。
どんなに忙しくても、返済口座の残高確認だけは経営者の最優先ルーティンに組み込みましょう。
- クイック・レスポンス: 資料の提出依頼や連絡に対して、スピーディーに反応することも大切です。
すぐに対応できない場合でも、「確認して〇日までに送ります」と一報入れるだけで、担当者の安心感は大きく変わります。
「待たせない」という気遣いは、それだけで「仕事ができる経営者」の証明になります。
信頼構築のサポーターとしての「税理士」
これら3つの原則を実践するには、タイムリーに自社の数字(試算表や決算書)を把握しておく必要があります。
私たち税理士は、単なる計算係ではなく、そのための「財務パートナー」です。
- 毎月の試算表をもとに、「今のうちに銀行へ報告しましょう」とアドバイスする。
- 決算報告の際、銀行へ同行して専門的な補足説明を行う。
- 銀行からの資料依頼に即座に対応する。
一人ですべて対応するのは大変ですが、税理士を上手に巻き込むことで、金融機関との信頼構築をスムーズに進めることができます。
まとめ(今年最後のメッセージ)
全6回、「追加融資」シリーズにお付き合いいただきありがとうございました。
- 悪い報告ほど早く、正直に。
- お金が不要な時こそ、顔を見せる。
- 返済とレスポンスの約束を守る。
これらは特別なテクニックではありませんが、これらを徹底できる経営者は、金融機関にとって代えがたい「優良なパートナー」となります。
この積み重ねが、将来会社がピンチになった時に、「この社長なら助けたい」と思ってもらえる最強のセーフティネットになるはずです。
起業スタートビジョンラボは、来年も皆様の挑戦を全力でサポートいたします。 資金調達や銀行対応で迷った時は、いつでも頼ってください。
それでは、皆様良いお年をお迎えください!

