【元金融マンが解説】創業融資「成功率90%超」の真実
プロ依頼で審査通過率が劇的に上がる理由と、専門家でも救えない「3つのNG」
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
「日本政策金融公庫の創業融資は、自分で申請すると通過率は約50%。しかし、専門家に依頼すれば90%を超える」
インターネットや広告で、このような数字を目にしたことはありませんか?
起業家の皆様にとって、この数字の差は魅力的であると同時に、「本当なのか?」「なぜそこまで差が出るのか?」という疑念を抱く部分でもあるでしょう。
結論から申し上げます。この「90%超」という数字は嘘ではありません。
しかし、「プロに頼めば、どんな状況でも融資が通る」と思ってみえるのであれば、それは大きな間違いです。
この記事では、当事務所社員の元金融機関融資役席の視点から、プロが関与することで審査通過率が劇的に上がる「決定的な理由」と、逆にどれだけ優秀な専門家に依頼しても絶対に覆せない「審査落ちの要因」について、包み隠さず解説します。
なぜ自己申請の50%は落ちるのか?銀行と起業家の「4つのギャップ」
融資が不承認になる原因の多くは、事業の将来性以前に、金融機関が求める視点と起業家の主張の間に「ズレ」が生じていることにあります。
自己申請で失敗するケースでは、以下の4つのギャップが埋まっていないのです。
1. 「視点」のギャップ
起業家は「情熱」や「夢」を語りますが、銀行員が聞きたいのは「返済の確実性」です。
この翻訳ができていないため、熱意はあっても「貸しても返ってこないリスクが高い」と判断されます。
2. 「数字」のギャップ
「運転資金はとりあえず多めに」この言葉は色々なところで言われており、実際に手持ち現金は多い方がいいことには同意です。
但し、それは根拠が伴っていることが大前提であり、根拠のない数字は審査で最も嫌われます。
すべての経費と売上予測に、「なぜその金額なのか」という論理的な根拠(エビデンス)が必要です。
3. 「書類」のギャップ
融資担当者は、稟議書(承認を得るための書類)を書くために、多くの分析資料を必要とします。
自己申請では、「債務償還能力」や「実態バランス」といった、銀行内部で必須となる重要指標を意識した資料作りができていない事が多く、表面の数字だけで判断しがちなことから、実態把握の徹底不足により審査落ちするケースもあります。
4. 「リスク認識」のギャップ
赤字や懸念事項を隠そうとすると、公庫や民間金融機関はそれを「隠ぺい体質」と見なします。
プロはリスクを先に開示し、それに対する具体的な改善策(リカバー案)を提示することで、逆に信頼を獲得します。
プロに頼むと「90%超」になるカラクリと、審査コントロールの正体
では、なぜ専門家に依頼すると通過率が跳ね上がるのでしょうか。
それは単に書類作成が上手いからだけではありません。
そこには、プロならではの「品質管理」と「厳しい選別」が存在するからです。
理由①:徹底した「事前選別(スクリーニング)」がある
ここが最も重要な真実です。 90%という高い数字が出せる最大の理由は、「現時点では融資が通らない案件」を申請前に止めているからです。
夢見がちな計画、足元がおぼつかない収支予測、準備不足の案件に対し、プロは「今のままでは通りません」とハッキリ伝えます。
そして、通る水準になるまで計画を練り直すか、申請時期を遅らせる判断をします。
つまり、「勝てる状態に仕上げてから戦う」ため、必然的に勝率は高くなるのです。
理由②:審査官の思考を「先回り」する
元融資役席などの経験豊富な専門家は、審査官が「どこを突っ込んでくるか」が手に取るように分かります。
面談で聞かれるであろう質問への回答をあらかじめ事業計画書に盛り込み、審査担当者が稟議書を書きやすい状態を作り出します。
これにより、審査がスムーズに進み、可決の可能性が高まります。
理由③:「業務提携」は優遇ではないが「円滑化」である
よく「金融機関と業務提携している」という文言を見かけますが、これは「審査が甘くなる(優遇される)」という意味ではありません。
「この事務所が作る書類なら信頼性が高く、話が早い」という実務上の信頼関係があることを意味します。
この「スムーズさ」が、結果として審査結果への好影響(心証の良さ)に繋がることは事実です。
【警告】専門家でも救えない「3つのNG」
ここからは、これから起業する皆様や起業後に創業融資を受ける予定の方々にあえて厳しくお伝えします。
以下に該当する場合、どんなに優秀な専門家に依頼しても、融資を通すことは極めて困難です。
「プロにお金を払えば何とかしてくれる」という甘い考えは捨ててください。
NG①:個人の信用情報に「傷」がある(ブラックリスト)
過去にクレジットカードの支払いやローンの返済で、長期の延滞・滞納や債務整理の履歴がある場合(いわゆるブラックリスト)、専門家の力ではどうにもなりません。
公庫や民間金融機関はCICなどの信用情報機関を通じて必ず履歴をチェックします。
「約束を守れない人にお金は貸せない」。これが金融機関の絶対的なルールです。
NG②:税金・公共料金・家賃の「滞納」がある
「税金や水道光熱費くらい、少し遅れても払えばいいだろう」と思っていませんか?
創業融資の審査では、直近の通帳履歴を必ず確認されます。
ここで公共料金や家賃の支払いが遅れている履歴があると、「経営者としての規律がない」「資金管理能力が欠如している」と見なされ、即座に否決要因となります。
NG③:事業計画書が「ハリボテ」である
専門家に丸投げして作ってもらった、見栄えだけ良い事業計画書。 これは、審査担当者との面談時に必ずバレます。担当者はプロです。
質問をいくつか投げかければ、その計画に経営者の「魂」が入っているか、ただの作文かは一瞬で見抜きます。
自分の言葉で事業を語れない経営者に、銀行は大切なお金を託しません。
審査は結局、「人」対「人」である
最後に、元融資担当として、皆様にどうしてもお伝えしたいことがあります。
どれだけAIやスコアリングシステムが進化したとしても、審査を申し込むのも、それを受け付けて判断するのも、結局は「人」であるということです。
金融機関の担当者も、感情を持った人間です。
目の前の経営者が真剣で、事業に情熱を持ち、誠実であればあるほど、「この人を応援したい」「この会社を世に出したい」という感情が芽生えます。
一度そう思えば、担当者は皆様の「最強の味方」になります。
彼らは、皆様の代わりに厳しい上司や審査部に頭を下げ、稟議を通すために全力を尽くしてくれます。
そんな担当者の頑張りに誠実に応えるために、融資申込を検討されている方ができることは2つです。
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まず、「真実」を伝えること
都合の悪いことを隠したり、嘘をついたりしてはいけません。
信頼関係が崩れた瞬間、担当者は戦う武器を失います。 -
担当者が「上に書類を出しやすくする材料」を提供すること
担当者が上司を説得するには「根拠」が必要です。
「なぜこの売上が達成できるのか」「なぜこの経費が必要なのか」。
その材料をプロと共に十分に用意し、担当者に渡してあげることこそが、彼らへの最大の援護射撃になります。
専門家に依頼する本当の価値は、単に書類を整えることだけではありません。
担当者があなたのために戦いやすくなるよう、「上司を説得するための最強の武器(材料)」を一緒に作り上げることにあるのです。
まとめ:創業者は「全方位」で備えよ
融資成功率90%超の背景には、専門家の技術だけでなく、事業主自身の「覚悟」と「誠実さ」が不可欠です。
融資を確実に成功させるためには、以下の「三位一体」が必要です。
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事業への全方位的な準備: 誰よりも深くビジネスモデルを考え抜くこと。
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個人の信用力の維持: 日頃の支払いを徹底し、信用を積み重ねること。
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専門家による品質管理: 金融機関ならではの論理を理解したプロと共に、計画を「通る書類」に仕上げること。
私たち起業スタートビジョンラボは、単なる融資書類の作成代行屋ではありません。
元銀行融資役席の視点から、皆様の事業計画を厳しくチェックし、「金融機関の担当者が、自信を持って上司に提出できる」レベルまで品質を引き上げます。
「本気で事業を成功させたい」「自分の計画の甘さを指摘してほしい」 そのようにお考えの経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。
皆様の熱意を形にするために、私たちが全力でサポートいたします。

