「赤字」でも融資は受けられる?経営者のための資金調達術


 

こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。

 

「決算書が赤字…これでは銀行融資は絶望的だろうか?」

多くの経営者が、赤字決算を前にこのような不安を抱えます。

一般的に、銀行融資は黒字が前提とされますが、実は赤字でも融資を受けられるケースは少なくありません。

 

この記事では、「赤字だから難しい」と諦める前に、融資の現場を熟知した専門家が、赤字経営の会社が資金調達をするための考え方と具体的な方法を解説します。

ぜひこの記事を読んで、資金調達の可能性を探ってみましょう。

 


 

なぜ銀行は「赤字」や「困っている会社」に融資をしないのか?

 

これは、銀行のビジネスモデルの根幹に関わる問題です。

銀行は、預金者から預かった大切なお金を貸し付け、その利息で利益を得ています。

そのため、貸したお金が返ってこないリスクを最小限に抑えることが、銀行の最も重要な使命です。

 

銀行の融資担当者の本音として、「お金に困っている人=返済が滞るリスクが高い人」と見なされがちです。

赤字や資金繰りに窮しているという事実は、経営管理や事業の収益性に何らかの問題があることを示唆します。

 

銀行は、以下のようなリスクを懸念しています。

  1. 回収リスク: 資金繰りが悪化している会社への融資は、計画通りに事業が改善せず、貸したお金が回収できなくなるリスクが非常に高いと判断されます。

  2. 経営計画の不確実性: 資金繰りに追われている経営者は、どうしても短期的な視点になりがちです。
    長期的な事業計画や抜本的な改善策が見えない場合、融資をしても根本的な問題解決につながらない可能性を懸念します。

 

つまり、赤字そのものが問題なのではなく

「赤字の理由が不明確」

「改善の見込みがない」

「返済能力が不確かな状況」

という上記の3点が揃った場合に、融資は難しくなるのです。

 


 

赤字でも融資を成功させる「資金調達術」

 

赤字決算でも融資を成功させるためには、単に「お金を借りたい」と伝えるのではなく、銀行が抱く根本的な懸念を先回りして解消することが重要です。

 

銀行が融資の可否を判断する3つの核心

融資審査側は、赤字そのものよりも、以下の3つのポイントが明確で、改善の見込みがあるかを最重要視しています。

  1. 赤字の「理由」を明確に説明する

    • 攻めの赤字: 高額な設備投資や先行投資、広告宣伝費など、将来の収益につながるための投資であれば、銀行は前向きに検討します。

    • 外部要因: 自然災害や経済危機など、自社の努力では防げない要因であれば、その事情を丁寧に説明し、事業の健全性を訴えます。

  2. 「改善計画」の具体性を示す

    • 赤字をどう解消するかを、少なくとも2~3年先までの具体的な計画で示します。1年だけの帳尻合わせ的な計画は評価されません。

    • 数字と根拠: 「来期は黒字化」ではなく、「コストを〇%削減し、売上を〇%向上させることで、利益を〇〇円まで改善する」と具体的に示し、その実現のための行動戦略(例:家賃の低い事務所への移転、新規顧客開拓の具体的営業活動)に説得力を持たせます。

  3. 「返済能力」を証明する

    • 真に重要なのは、損益計算書上の赤字ではありません。手元の現金の流れ、つまりキャッシュフローが健全であるかが命運を分けます。

    • 減価償却費を活用: 現金支出を伴わない減価償却費は、赤字でも手元に残る資金です。これを加味した「実質的な利益」が、融資の返済原資となります。

    • 確実な入金の証明: 売掛金など、入金が確実に見込める根拠(契約書や請求書)を示すことで、資金回収の原資があることを証明します。


 

決定的な違い:A社とB社が示した「償還能力」

 

当事務所職員が融資担当時代に経験したA社とB社の事例は、この3点が融資判断に直結することを如実に示しています。

両社とも一過性の損失による赤字でしたが、結果は分かれました。

会社 融資結果 課題の検証結果 結論
A社 融資承認(1,500万円) 実質的な利益を計算した結果、金融機関の定める規定年数内に返済可能と判明。 ③返済能力を証明できた
B社 融資不可(来期まで様子見) 実質的な利益が不足しており、償還能力不足と判明。 ③返済能力に問題があった

この事例が示すように、赤字決算であっても、「実質的な償還能力(返済能力)」を数字で論理的に証明できれば、融資の可能性は格段に高まります。

融資審査は単純ではありませんが、上記の3点を丁寧にクリアし、返済の確実性を裏付けた計画を提示することが、資金調達を成功させるための最善策です。

 


 

最終手段?「公的機関」と「税理士」の活用

 

ちなみに民間の金融機関で融資が難しい場合でも、諦める必要はありません。

  • 日本政策金融公庫: 赤字企業でも、事業の将来性や経営者の熱意を評価して融資をしてくれることがあります。
    特に、一時的な赤字であれば、積極的に相談してみる価値があります。

  • 信用保証協会: 融資が困難な中小企業を支援するための公的機関です。
    信用保証協会の保証を受けることで、金融機関はリスクを軽減でき、融資を受けやすくなります。

 

そして、最も重要なのは、専門家である税理士に相談することです

税理士は、決算書や事業計画書を客観的に分析し、銀行が納得する赤字の説明方法や、実現可能な改善計画の策定をサポートします。

 


 

まとめ:赤字は「終わり」ではない、成長への「課題」である

 

赤字決算だからといって、融資の道が完全に閉ざされるわけではありません。

重要なのは、赤字を「失敗」と捉えるのではなく、「現時点での事業課題」として捉え直すことです。

赤字は、事業内容や経費負担を見つめ直し、さらなる成長を遂げるための貴重なきっかけになり得ます。

 

融資を成功させる鍵は、この課題に対し、赤字の理由を明確に説明し、具体的な改善計画と、キャッシュフローに基づく確実な返済能力を証明することに尽きます。

名古屋起業スタートビジョンラボでは、赤字経営の企業様に対する資金調達サポートも専門的に行っております。

赤字だから無理だろう」と諦めてしまう前に、ぜひ一度私たちにご相談ください。課題を成長の力に変え、資金調達を実現するお手伝いをいたします。

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