銀行はココを見る!融資に強い決算書の読み方【Vol.2】
黒字でも安心できない?会社の「スタミナ」を守る、現預金と売掛金のバランス
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
前回は、会社の成績表である「P/L(損益計算書)」について、銀行員は「売上よりも営業利益(本業の稼ぐ力)」を見ているというお話をしました。
第2回のテーマは、多くの経営者様が「ちょっと苦手だな…」と感じる「B/S(貸借対照表)」です。
左右に数字が並んでいて、少しとっつきにくいですよね。ですが、銀行員はP/L以上に、このB/Sをじっくり見ています。
なぜなら、P/Lが「1年間の成績」なら、B/Sは創業から現在までの「会社の健康状態(体力)」を表しているからです。
今回は、B/Sの「資産の部」の中でも特に重要な「現預金」と「売掛金」について、銀行員の視点をやさしく解説します。
1. 利益が出ているのに倒産?「黒字倒産」の正体
「決算書上は利益が出ている(黒字)のに、会社にお金がなくて支払いができない…」 いわゆる「黒字倒産」と呼ばれる怖い現象ですが、これはP/Lだけを見ていては防げません。
銀行員が融資審査で最も警戒するのは、この「資金ショート」のリスクです。
そこで彼らは、B/Sの左上にある「現金・預金」を真っ先に見ます。
銀行員の視点:
「利益が出ているか」も大事ですが、それ以上に「何かあった時に耐えられる“スタミナ(現金)”があるか?」を確認しています。
2. 銀行が安心する「現預金の目安」とは?
では、具体的にどれくらいの現金を持っていれば、銀行は「この会社は安全だ(スタミナがある)」と判断してくれるのでしょうか?
一つの目安となるのが、「手元流動性(てもとりゅうどうせい)」という指標です。
難しそうな言葉ですが、考え方はとてもシンプルです。
それは、「月商(月の売上)の何ヶ月分の現金を持っているか?」です。
【安心ラインの目安】
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月商の1ヶ月分 … ギリギリのライン(自転車操業に近いと見られることも)
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月商の1.5〜2ヶ月分 … 一般的な水準
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月商の3ヶ月分以上 … 「財務体質が強い(安全)」と高評価!
もし、決算書上の現預金が極端に少ない場合、いくら黒字でも「資金繰りが厳しそうだな」「貸してもすぐに返済資金が底をつくのでは?」と心配されてしまうことがあります。
節税で経費を使って現金を減らすよりも、「あえて現金を残して、銀行の信用を得る」という戦略も、時には必要になります。
3. 売上は上がったけど…「売掛金」に潜む落とし穴
次に注目するのが「売掛金(うりかけきん)」です。
これは「商品は売ったけれど、まだ入金されていないお金(=いわゆるツケ)」のことですね。
売上が上がれば売掛金も増えます。これは自然なことです。
しかし、「売上の伸び以上に、売掛金が急激に増えている」場合は、銀行員のアラートが鳴ります。
銀行員の視点:
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「売掛金が多すぎる気がする……」 ↓
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「もしかして、回収できていない不良債権が含まれているのでは?」
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「あるいは、相手からの支払いが遅れているのでは?」 ↓
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「この売掛金は、本当に現金化できる資産なのだろうか?」
銀行は売掛金を「将来の現金」と見ていますが、もし回収できないものが混ざっていたら、それは資産としての価値がありません。(実質的なマイナス評価になります)
【ここをチェック!】
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何ヶ月も入金されていない売掛金が残っていませんか? ← まずはしっかり確認をしてください。
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特定の取引先だけ、売掛金が溜まっていませんか? ← もしあればすぐに対応を始めるべきです。
もし回収遅れがある場合は、決算前に相手先に催促するなどして整理しておくと、決算書がキレイになり、銀行からの評価も守ることができます。
まとめ:BSは「会社の体力測定」
第2回のポイントをまとめます。
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PLが「成績」なら、BSは「会社の体力(スタミナ)」を表す。
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銀行は「月商の何ヶ月分の現金があるか」を見て、倒産リスクを測っている。
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売掛金が増えすぎていると、「ちゃんと回収できているか?」を心配される。
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「利益は出ているから大丈夫」と安心せず、「手元の現金は十分か?」「売掛金はちゃんと回収できているか?」
という視点でBSを見てみてください。 それが、強い会社を作る第一歩です。
次回、Vol.3では、BS資産の部の続きとして、「在庫(棚卸資産)」と「固定資産(建物や車)」についてお話しします。
「在庫が多いと銀行評価が下がるって本当?」「見栄で買った社用車はバレる?」 といった疑問にお答えします。お楽しみに!
【自社の「基礎体力」は大丈夫?】
- 「うちは現預金が少ない気がするけど、融資は受けられる?」
- 「古い売掛金が残ったままになっている…どう処理すればいい?」
決算書のバランスに不安がある方は、ぜひ起業スタートビジョンラボにご相談ください。
銀行員が見ても安心できる、「健康的で強い決算書」への改善をサポートいたします。

