【元金融機関職員の本音】融資を引き出す!銀行員に「好かれる経営者」と「嫌われる経営者」の決定的な違い

こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。

会社経営において、切っても切り離せないのが「金融機関(銀行・信用金庫・公庫)」とのお付き合いです。

資金調達が必要になった時、スムーズに融資を受けられる会社と、門前払いされてしまう会社。その差は一体どこにあるのでしょうか?

 

「業績が良いから好かれるんでしょ?」

「やっぱり接待や付き合いが大事なの?」

そう思われるかもしれませんが、実は少し違います。

金融機関の担当者も一人の人間であり、サラリーマンです。彼らには彼らの「論理」と「事情」があります。

 

この記事では、元融資役席の視点から、金融機関の担当者が「この社長を応援したい!」「この会社になら融資したい!」と本気で思う経営者の特徴を、現場の裏話を交えて徹底解説します。

 


 

銀行担当者の「本音」を知れば、付き合い方が変わる

 

まず大前提として、銀行の担当者が何を求めているかを知る必要があります。

彼らは「お客様に喜ばれたい」という気持ちも当然持っていますが、それ以上に組織人として以下のミッションを抱えています。

  1. 融資残高を増やしたい(ノルマ達成):銀行はお金を貸して利息を得る商売です。優良な貸出先を常に探しています。

  2. 貸し倒れ(焦げ付き)は絶対に避けたい:回収不能になることは、銀行員としてのキャリアに傷がつきます。

  3. 稟議書(りんぎしょ)をスムーズに通したい:融資を実行するには、上司や審査部を説得するための書類作成が必要です。

 

つまり、金融機関に好かれる経営者とは、「返済リスクが低く、かつ稟議書が書きやすい材料を提供してくれる(担当者にとって神様のような)社長」のことなのです。

 


 

金融機関に「好かれる経営者」がやっている3つの行動

 

では、具体的にどのような行動が担当者の心を掴むのでしょうか?

 

1. 「悪い情報」ほど早く、正直に開示する

業績が良い時に銀行に来るのは当たり前です。

しかし、信頼される経営者は「業績が悪化した時」「資金繰りが厳しくなりそうな時」こそ、早めに相談に来ます。

  • 好かれる行動: 「来月、大口の入金がズレ込みそうで、一時的に資金繰りがショートする可能性があります。今のうちに対策を相談したいです。」

  • 担当者の心理: 「事前に言ってくれて助かる。傷が浅いうちなら、短期融資やリスケジュールなど、打てる手があるぞ。」

 

銀行員が最も嫌うのは「寝耳に水(サプライズ)」と「嘘」です。

不都合な真実を隠さず相談してくれる経営者に対し、担当者は「誠実な人だ。何とかして支えよう」と義侠心(ぎきょうしん)を燃やします。

 

 

2. 「自社の数字」を自分の言葉で語れる

面談の際、決算書や試算表の数字について質問した時、すぐに顧問税理士の方を向いて「先生、説明して」と言う社長がいます。これは非常にマイナスです。

  • 好かれる行動: 「今期の売上が落ちたのは〇〇の影響ですが、経費の〇〇を削減したので、利益率は改善しています。来期は〇〇の施策でV字回復を狙います。」

  • 担当者の心理: 「この社長は計数管理(けいすうかんり)ができている。自分の事業を客観的に見えているから、貸しても安心だ。」

どんぶり勘定ではなく、「なぜ儲かったのか」「なぜ損したのか」を数字で語れる経営者は、圧倒的な信頼を得られます。

 

 

3. 担当者に「武器(稟議のネタ)」を持たせてくれる

これが最もテクニカルで重要なポイントです。

担当者は、あなたに融資をするために、支店長や本部と戦わなければなりません。そのための「武器」をくれる社長は、神様のように見えます。

  • 好かれる行動: 事業計画書だけでなく、受注明細、資金繰り表、業界動向のニュース、改善計画の進捗レポートなど、「審査部を説得できる資料」を自ら用意してくれる。

  • 担当者の心理: 「ありがたい!この資料があれば、厳しい審査部も納得させられる。稟議書を書く時間が半分で済む!」

 

担当者の仕事を楽にさせてあげること。これが最大の「応援依頼」になります。

 


 

逆に「嫌われる(融資したくない)」経営者の特徴

 

反面教師として、以下のような行動は絶対にNGです。

  • 「金利を下げろ」とばかり言う: 実績もないのに金利交渉ばかりする社長は、「面倒な客」認定されます。金利は信頼の証です。まずは実績を作りましょう。

  • 資料提出が遅い: 「明日までに試算表をください」と言っても1週間出てこない。これは「経理がずさん」または「約束を守れない人」と判断されます。

  • 公私混同が激しい: 決算書に不明瞭な「役員貸付金」があったり、交際費が異常に多かったりすると、「貸した金が個人支出等に流用されているかも?」と警戒されます。

 


 

【一番大切なこと】結局は経営者の「人間性」で決まる

 

ここまでテクニックや数字の話をしてきましたが、これら全てを凌駕する一番大切なことをお伝えします。

それは、経営者ご自身の「人間性」です。

 

残念なことに、金融機関の担当者を「お金を引き出すための道具(モノ)」のように扱う経営者様が少なからずいらっしゃいます。

言葉の節々に「貸してやるのが仕事だろ」というニュアンスが含まれていたり、自分の部下のように横柄な態度で接したり……。

そういった「上から目線」や「侮蔑(ぶべつ)」の感情は、どんなに取り繕っても相手に伝わってしまうものです。

 

当事務所に在籍する元金融機関職員も、当時の心境をこう語ります。

「金融機関(特に渉外担当者)は、時にはお客様に頭を下げて『借りてください』とお願い営業をすることもあります。そのため常に対等の関係でいられるわけではありません。 しかし、それでも『一人の人間』としてリスペクトを持って接してくれる経営者様には、なんとしても力になりたい、全力でサポートしようと心が震えるものです。 逆に、人として『この人は嫌だな』『応援したくないな』と感じてしまうと、担当者の足は自然とその会社から遠のきます。」

担当者の訪問が減り、提案がなくなり、いざという時に電話が繋がりにくくなる…。 これは、担当者が無言で発している「NO」のサインかもしれません。

 

銀行員は、あなたの部下でもATMでもありません。

共に事業を成長させる「同じ目線を持ったパートナー」として、敬意を持って接することができるか。

結局のところ、この「人間力」こそが、長く良好な関係を築き、いざという時に会社を救う最強の武器になるのです。

 


 

まとめ:銀行員を「最強のパートナー」にするために

 

金融機関との付き合いは、「情報の透明性」と「数字への理解」、そして何より「人としてのリスペクト」で決まります。

金融機関の担当者は、決して敵ではありません。

あなたが誠実な情報を開示し、彼らが動きやすいように材料を提供し、一人の人間として向き合えば、彼らはあなたの会社の成長を支える最強のパートナーになってくれます。

 

「うちの決算書の内容で、銀行はどう思うだろうか?」 「担当者に渡すための、説得力のある事業計画書を作りたい」

そのようにお考えの方は、ぜひ起業スタートビジョンラボにご相談ください。

元金融機関職員の視点から、「金融機関が心から応援したくなる」資料作成とコミュニケーション戦略を全力でサポートいたします。

 

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