【追加融資ガイド①】「無借金経営」は本当に正しい?

事業拡大のための“賢い借入”と、公庫融資「2回目」を申し込む最適タイミング

こんにちは!起業スタートビジョンラボです。

こちらのコラムは創業1年目を乗り越え、事業が少しずつ軌道に乗ってきた方向けにお送りします。

また、創業期を自己資金だけで堅実に乗り越え、「ここが勝負だ!」という事業拡大の大きなチャンスを目前にしている方も是非ご覧ください。

 

創業という大きなイベントを無事終えられた経営者様に共通する次なるお悩みが以下の内容であることをご存じでしょうか?

  • 「次の事業拡大(新店舗、設備投資、人材採用)のために、資金が足りない…」

  • 「日本政策金融公庫から1回目に借りたばかりだけど、2回目の融資(追加融資)はいつから申し込めるんだろう?」

  • 「そもそも借金(借入)はしたくない。自己資金が貯まるのを待つべきか…でも、それではチャンスを逃してしまう…」

この記事では、そんなジレンマを抱える経営者の方向けに、「無借金経営」の隠れたリスクと、事業拡大のスピードを上げる「賢い借入」の考え方、そして日本政策金融公庫などから2回目の融資(追加融資)を受けるための最適なタイミングを、税理士が徹底解説します。

事業の成長スピードを加速させる「次の一手」を知りたい方は、ぜひ最後までじっくりお読みください!

 

その考え、危険かも?「無借金経営」のメリットと“隠れたデメリット”

「借金はしない方が健全だ」・「無借金経営こそが理想」

特に創業期を自己資金で乗り越えた堅実な経営者の方ほど、このように強くお考えではないでしょうか。

その考え方は、経営者として非常に立派であり、決して間違いではありません。

しかし、その「無借金経営」というこだわりに、事業成長のブレーキが隠れていないか、一度立ち止まって考えてみる必要があります。

 

無借金経営のメリット(なぜ目指してしまうのか)

我々の多くは借金に対してあまり良いイメージを持っていないのが事実です。これは誰しもが同じかと思います。

そして、無借金経営には多くのメリットがあります。

  • 金利負担がない:当然ですが、利息の支払いが発生しないため、その分が利益として残ります。

  • 精神的な安心感:「借金=負担」というイメージから解放され、精神的に健全な経営ができると感じられます。

  • 対外的な信用:「あの会社は借金がない」ということで、健全な財務体質をアピールできる側面もあります。

 

経営者が見落としがちな「無借金経営」の3つのデメリット

問題は、これらのメリットの裏にある「デメリット(リスク)」です。

特に事業拡大を目指す経営者にとって、このデメリットは致命傷になりかねません。

 

デメリット1:【最重要】事業拡大の「スピード(機会)」を逃す

これが最大のデメリットです。

例えば、目の前に「今、500万円を投資すれば、2年後には年間1,000万円の利益を生む」という絶好のチャンス(例:好立地の空き店舗、最新設備の導入)があるとします。

  • Aさん(無借金志向):自己資金で500万円が貯まるのを待つ。→ 2年後、ようやく事業を開始。(しかし、その間に競合他社に先を越される可能性あり)

  • Bさん(賢い借入):500万円の融資を受け、今すぐ事業を開始。→ 2年後、計画通り1,000万円の利益を獲得。(金利を払っても、圧倒的な利益が残る)

自己資金を貯めている間に、「市場の熱」や「顧客のニーズ」は冷めてしまいます。

「時間(タイミング)」こそが、経営における最大の資源とも言えるでしょう。

デメリット2:金融機関との「取引実績」が作れない

「本当に苦しくなった時だけ、銀行に頼ろう」と考えているなら、それは危険かもしれません。

金融機関が一番困るのは、「はじめまして。今、本当に苦しいのでお金を貸してください」と駆け込まれることです。

取引実績(=この人は、借りたお金を、約束通りに返済した、という履歴)がない相手に、いきなり大きなお金を貸すのは、金融機関にとっても非常に高いハードルがあります。

日頃から少額でも良いので「借りて、返す」という「返済実績(=信頼)」を作っておくことこそが、コロナ禍のような不測の事態に備える、最大のリスクヘッジになるのです。

デメリット3:自己資金(キャッシュ)が枯渇するリスク

「借金はしない」と決め込み、自己資金(手元の現金)だけで大きな設備投資などを行うと、どうなるでしょうか。

投資した直後に、急な売上不振やトラブルが発生した場合、手元に支払う現金(キャッシュ)がなくなり、あっという間に「資金ショート(倒産)」してしまいます。

手元の自己資金(キャッシュ)は「会社の体力(防衛資金)」です。これを投資に回しすぎず、投資資金は「融資」で賄う、という考え方が重要です。

 

事業拡大の鍵。「賢い借入(レバレッジ)」という考え方

繰り返しになりますが、私たちは「借金」と聞くとネガティブなイメージを持ちがちですが、経営における「借入」は、全く意味が異なります

「悪い借金」と「良い借金(賢い借入)」の違い

  • 悪い借金:生活費の補填や、単なる赤字の穴埋め(一時しのぎ)など、将来の利益を生み出さない借金

  • 良い借金(賢い借入)将来の売上や利益を生み出すための「投資」に使う借金。これを「レバレッジ(てこの原理)」と呼びます。

(例)新店舗の出店費用、生産性を上げる最新設備の導入費、売上を倍増させるための広告宣伝費、優秀な人材の採用費

 

「良い借金」は、返済する金額(元本+金利)よりも、将来生み出す利益の方が大きいことが明確です。

自己資金(小さな力)だけで動かすのではなく、融資(大きな力)を使って、事業という大きな岩を動かす。

これが経営におけるレバレッジの考え方です。

自己資金が貯まるのを待つことは、チャンスを逃し、競合他社に先を越されるリスクを負うこと。

「賢い借入」は、「時間をお金で買う」という、極めて合理的な経営戦略なのです。

 

日本政策金融公庫(JFC)の「2回目(追加融資)」を申し込む最適タイミング

「賢い借入」の必要性が分かったところで、次に「では、いつ申し込むのがベストか?」という「タイミング」の問題です。

特に、1回目に日本政策金融公庫から創業融資を受けた方の「2回目」について解説します。

 

目安は「創業融資から1年後(最低でも半年)」

まず、基本的な目安として、1回目の融資実行から「最低でも半年、できれば1年」は経過していることが望ましいです。

なぜなら、金融機関は「1回目に貸したお金が、事業にどう活かされ、そして、きちんと返済が始まっているか」を見たいからです。

毎月、遅延なく返済しているという「返済実績」(最低でも6回以上)が、あなたの信頼の証になります。

借りてすぐに「また貸して」では、「計画性がない」と判断されてしまいます。

 

最強のタイミングは「1期目の決算書」が出た直後

私たちが最も推奨する「最強のタイミング」。それは、「創業1期目の決算(確定申告)が終わり、決算書が完成した直後」です。

  • 理由1:客観的な「実績」で判断してもらえるから
    創業時(1回目)は、事業計画書という「未来の計画」で審査されました。
    しかし2回目は、「1年間の経営の結果」である*決算書」という動かぬ「実績(数字)」で判断されます。

  • 理由2:「黒字決算」が最強の根拠になるから
    もし、その1期目の決算書が「黒字」であれば、それは「事業計画が正しかったこと」「経営者として利益を出せること」を公的に証明する、最強の根拠資料となります。

この「黒字の決算書」を武器に、「1期目は黒字化を達成した。2期目はこの決算書を基に、追加融資を受けてさらに事業を拡大したい」と申し込むのが、最も説得力のある流れです。

 

決算前でも「試算表(月次決算)」があれば交渉可能

「1年後の決算まで待てない!」「創業8ヶ月目だけど、今が投資のチャンスだ!」という場合もあるでしょう。 その場合は、「試算表(月次決算書)」が武器になります

決算書は「1年に1回」ですが、試算表は「毎月の経営成績」を示すものです。

毎月きっちりと会計ソフトで記帳し、作成された「直近6ヶ月分の試算表」が好調(売上が右肩上がり、利益が出ている)であれば、それは決算書の代わりとなる「実績」として提出が可能です。

 

 

追加融資の審査で見られる「1回目」との違い(重要)

最後に、追加融資(2回目)の審査が、1回目(創業時)とどう違うのかを理解しておきましょう。

見られるポイントが全く異なります。

見られるのは「計画書」より「実績(決算書・試算表)」

  • 1回目(創業時)の審査: 事業計画書の妥当性、自己資金の履歴、事業経験など、「未来への期待値」が中心。

  • 2回目(追加融資)の審査決算書・試算表の「数字(実績)」、そして1回目の融資の「返済実績(信頼)」が全てです。

「未来の夢」を語るのではなく、「過去の実績」を基に「次の未来」を語る必要があります。

 

1回目の融資資金の「使途」と「成果」

必ず聞かれるのが、

  • 「1回目にお貸しした資金(例:500万円)は、計画通りに使いましたか?」

  • 「その結果、どれだけ売上(成果)に繋がりましたか?」という質問です。

これに明確に答えられないと、「前回貸したお金もどうなったか分からないのに、追加は貸せない」と判断されてしまいます。

 

 

追加融資の相談は「税理士」にすべき理由

  • 「賢い借入のタイミングは分かった。でも、本当に今がその時なのか…」

  • 「決算書は出たけど、この内容で審査に通るのか…」

そう悩んだ時こそ、私たち税理士にご相談ください。

 

客観的な「財務分析」で最適なタイミングが分かる

私たちは、決算書や試算表を客観的に分析し、「今が本当に追加融資を受けるべきタイミングか?」を専門家として判断します。

「無借金経営のままでいくべきか、レバレッジをかけるべきか」という、事業フェーズに合わせた経営判断(財務戦略)を一緒に考えることができます。

金融機関が納得する「事業計画書(改善計画書)」を作成できる

2回目の融資審査で必要なのは、「夢を語る計画書」ではなく、「実績の数字」に基づいた「次の具体的な事業計画書」です。

1期目の実績を分析し、「だからこそ2期目はこの投資が必要で、これだけの売上が見込める」という、金融機関が納得するロジカルな計画書の作成を強力にサポートします。

 

まとめ

今回は、「追加融資(2回目)」をテーマに、借入へのマインドセットと具体的なタイミングについて解説しました。

  • 無借金経営」は健全に見えますが、事業拡大の「スピード(機会)」を逃す大きなデメリットがあります。

  • 将来の利益を生む「賢い借入(レバレッジ)」は、「時間をお金で買う」有効な経営戦略です。

  • 日本政策金融公庫などへの追加融資は、「1回目の返済実績(最低半年〜1年)」ができてから。

  • 最強のタイミングは「1期目の(黒字)決算書」が出た直後です。

  • 決算前でも「好調な試算表」があれば交渉可能です。

  • 2回目の審査は「実績」が全て。1回目の融資の成果を明確に説明できるように準備しましょう。

事業の成長スピードを加速させる「賢い借入」は、経営者にとって必須のスキルです。最適なタイミングを逃さないためにも、ぜひ一度、ご相談ください。

 

起業スタートビジョンラボでは、創業したての方向けに、日本政策金融公庫をはじめとした創業融資はもちろんのこと、幅広くトータルサポートを承っており、融資についてのご相談からご提案までさせていただいております。気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。

 
 

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