公庫融資の再挑戦!半年後に成功するための事業実績の作り方
こんにちは!起業スタートビジョンラボです。
前回の第2回では、融資審査に落ちた原因となる「5つの不合格フラグ」を自己診断していただきました。
「自分の弱点は、自己資金だった…」「事業計画書の売上の根拠が甘かったんだ…」と、前回申請時の「敗因」が明確になったのではないでしょうか。
原因が分かった今、次に考えるのは、「じゃあ、再申請に向けて具体的に何をすればいい?」「半年後に審査を受けるとして、今日から何を変えればいい?」ということだと思います。
全3回シリーズの最終回となる今回は、日本政策金融公庫への「再申請(再挑戦)」を成功させるため、この半年間で積み上げるべき具体的な「実績」と「改善の証拠」の作り方を、税理士が徹底解説します。
この記事を読めば、半年後に審査担当者を「これなら大丈夫だ」と納得させられる、説得力のある「再挑戦の武器」を手に入れる方法が分かります。
「今度こそ失敗したくない」と強く願う方は、ぜひ最後までじっくりお読みください!
前々回のコラムをご覧でない方はこちらもご覧ください:【審査に落ちた方へ】お見送り通知…直後に絶対すべき事とは
前回のコラムをご覧でない方はこちらもご覧ください:なぜ私は融資審査に落ちた?「5つの不合格フラグ」とは
なぜ再申請まで「半年」の時間が必要なのか?
第1回でも触れましたが、なぜ再申請まで一般的に「半年(6ヶ月)」の時間が必要とされるのでしょうか。
それは、日本政策金融公庫の担当者が、審査に落ちた人に対して「口先だけではない、行動による改善の証拠」を求めているからです。
例えば、
-
1ヶ月で「自己資金を貯め直しました」と言われても、それは「見せ金」かもしれない。
-
1ヶ月で「売上予測を立て直しました」と言われても、それはまた「希望的観測」かもしれない。
担当者が納得するのは、「半年間、毎月コツコツと自己資金を貯め直した通帳の履歴(証拠)」であり、「半年間、小さくても事業を動かし続けた売上実績(証拠)」なのです。
この「半年」という期間は、あなたが本気で事業と向き合い、弱点を改善したという「プロセス(証拠)」を作るために必要な、最低限の時間なのです。
【弱点別】再申請(半年後)までに実行すべき「改善ロードマップ」
それでは、第2回で自己診断した「弱点」別に、この半年間で実行すべき具体的なアクションプランを見ていきましょう。
弱点1:「自己資金」が不足していた/見せ金を疑われた人
【やるべき事】:毎月「定額」を「コツコツ」貯める通帳履歴を作る
これが最もシンプルかつ強力な改善策です。
-
具体的な行動:
-
「貯蓄専用の口座」を一つ決めてください。
-
今、他で働いているなら、その「給与振込口座」から毎月決まった日(例:給料日の翌日)に、決まった金額(例:月3万円でも5万円でも構いません)を、その「貯蓄専用口座」に「振込」してください。
-
-
なぜそれが必要か?: 半年後にその通帳を提出した際、「毎月〇日に、給与から〇万円を、事業のためにコツコツ貯蓄してきた」という計画性の証拠になります。
-
NG行動: 半年の間に親族から100万円をポンと振り込んでもらうこと。これは再び「見せ金」を疑われ、逆効果です。「毎月・定額・コツコツ」が鉄則です。
弱点2:「事業経験」が不足していた人
【やるべき事】:経験不足を補う「客観的な証拠」を作る
「やる気」や「情熱」だけでは経験不足は補えません。半年間で「行動」を示します。
-
具体的な行動:
-
その事業に関連する「資格」の勉強を始め、可能なら取得する。(例:飲食なら食品衛生責任者だけでなく、調理師免許の勉強を始める)
-
もし可能なら、その業界の会社にアルバイトやパートとして飛び込み、半年間「実務経験」を積む。
-
-
なぜそれが必要か?: 面談で「経験不足を指摘されましたが、この半年間、〇〇の資格を取り、さらに〇〇店でアルバイトとして働き、現場のオペレーションを学びました」と語ることができれば、事業への本気度と行動力が伝わります。
弱点3:「信用情報」に傷があった人
【やるべき事】:信用情報の回復を最優先し、半年間「クリーン」な状態を維持する
これが原因だった場合、最も時間のかかる改善が必要です。
-
具体的な行動:
-
CICやJICCなどの信用情報機関にご自身で情報開示をし、何が「傷」になっているか(延滞記録など)を正確に把握します。
-
もし延滞中の支払い(携帯代、奨学金、カードローン等)があれば、即時完済してください。
-
この半年間、クレジットカードの支払いやローンの返済は、1日たりとも遅延しないことを徹底します。
-
-
注意点: 延滞記録が信用情報から完全に消えるには、完済から5~7年程度かかる場合があります。(ただし正確な年数は誰も分かりません。巷の噂は全く当てになりません。)
もしこれが決定的な理由だった場合、半年後の再申請でも厳しい可能性があります。
上記のケースに該当する場合は、税理士に相談し、公庫以外の資金調達(補助金・助成金など)も並行して検討する必要があります。
弱点4:「事業計画書」が甘い/売上予測の根拠が弱かった人
【やるべき事】:「少額で良いので、実際の売上実績を作る」
前回の計画書が「机上の空論」だったなら、今回は「現実の実績」という武器を手に入れます。
-
具体的な行動:
-
融資がなくても始められる範囲で、事業を小さくスタートさせてください。
-
(例:カフェ開業予定なら)週末だけキッチンカーでコーヒーを売ってみる、オンラインストアで自家焙煎豆を売ってみる。
-
(例:コンサル業なら)SNSやクラウドソーシングで「お試し価格」でもいいので、クライアントを3件獲得し、サービスを提供する。
-
-
なぜそれが必要か?: 半年後に、「半年間活動した結果、月5万円ですが売上実績が立ちました。この実績を基に、融資を受けて広告宣伝費をかければ、月50万円の売上は達成可能です」と説明できます。「実績」に基づいた売上予測は、何よりも強い根拠となります。
弱点5:「面談」での受け答えが原因だった人
【やるべき事】:事業計画書を「自分の言葉」で語れるよう、徹底的に準備する
計画書が「他人事」になっていたのが敗因です。
-
具体的な行動:
-
改善した事業計画書の「すべての数字」について、「なぜこの数字なのか?」を何十回聞かれても答えられるように、根拠を固めます。
-
特に「創業の動機」「自分の強み」「売上予測の根拠」の3点は、丸暗記ではなく、自分の言葉で熱意を持って語れるように練習します。
-
可能であれば、税理士などの専門家を相手に「模擬面談」を何度も行い、厳しい質問への切り返しをトレーニングしてください。
-
「半年間、頑張りました」ではダメ!改善を「証拠」として残す方法
半年後、再申請の面談で「この半年間、頑張りました!」と口で言うだけでは、審査担当者は納得しません。
重要なのは、頑張ったプロセスを「客観的な証拠(エビデンス)」として提出することです。
-
自己資金の証拠:
-
「記帳済みの通帳」そのものです。毎月コツコツ貯蓄した「履歴」を見せることが証拠となります。
-
-
売上実績の証拠:
-
小さくても事業を動かしたら、必ず「会計ソフト」や「エクセル」で月次の売上管理表(試算表)を作成してください。
-
お客様に発行した「請求書」や「領収書」の控えも、証拠としてファイリングしておきましょう。
-
-
計画書改善の証拠:
-
「前回の計画書」と「今回の改善版」を両方準備します。
-
面談で「前回は売上予測の根拠が弱かったため、この半年間の実績(証拠資料)に基づき、このように現実的な計画に修正しました」と、改善のビフォーアフターを明確に示すことが重要です。
-
税理士と「二人三脚」で再挑戦するメリット
お分かりの通り、審査落ちからの半年間は、弱点の克服と証拠作りのために、やるべきことが山積みです。
これを一人で完璧にやり遂げ、精神的なモチベーションを維持し続けるのは、非常に困難な作業です。
-
「この自己資金の貯め方で、本当に担当者は納得してくれるだろうか?」
-
「この売上実績で、根拠として十分だろうか?」
そんな不安を抱えながら半年間を過ごすよりも、専門家である税理士と「二人三脚」で再挑戦することをお勧めします。
メリット1:客観的な進捗管理(コーチング)
専門家が「コーチ」となり、半年間の改善プロセスを毎月チェックします。
- 「自己資金の貯め方、順調ですね。この調子でいきましょう」
- 「売上実績の作り方が弱いですね。来月は〇〇を試して、証拠を残しましょう」
と客観的に伴走することで、改善の方向性がブレません。
メリット2:最強の「事業計画書」の作成
あなたが半年かけて積み上げた「実績(証拠)」を基に、専門家が公庫の視点で「これなら通る」というレベルまで、事業計画書を徹底的にブラッシュアップします。
メリット3:万全の「模擬面談」サポート
再申請の面談は、前回よりも緊張するものです。
専門家が公庫の担当者役となり、前回落ちた原因を厳しく追及する「模擬面談」を行います。
これをクリアできれば、本番の面談で自信を持って受け答えができるようになります。
まとめ
全3回にわたり、融資審査に落ちた後のロードマップを解説してきました。
-
審査落ちは「終わり」ではなく、弱点を改善するための「スタート」です。
-
「半年」という期間は、改善の「行動」を起こし、その「証拠」を作るために必要な時間です。
-
「自己資金の通帳履歴」「小さな売上実績」「資格や実務経験」など、弱点に応じた具体的な証拠を積み上げましょう。
-
改善した内容は「証拠(通帳、試算表、改善版の計画書)」として形に残り、面談で提示することが不可欠です。
-
一人で再挑戦するのが不安な場合は、税理士と二人三脚で、半年後の成功を掴み取りましょう。
審査に落ちた経験は、決して無駄にはなりません。
その「敗因」と向き合い、半年間かけて事業計画を磨き上げた皆様は、半年前とは比べ物にならないほど強く、説得力のある経営者になっているはずです。
起業スタートビジョンラボでは、創業したての方向けに、日本政策金融公庫をはじめとした創業融資はもちろんのこと、幅広くトータルサポートを承っており、融資についてのご相談からご提案までさせていただいております。気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。

