融資審査の面談・面接対策!審査を突破する4つのポイント
こんにちは!名古屋起業スタートビジョンラボです。
「事業計画書は完璧に作ったはず。あとは面談で何を話せばいいのか…」「面接ってどんな雰囲気なんだろう…」
日本政策金融公庫の創業融資を申し込む際、多くの起業家が最も不安に感じるのが、融資担当者との面談や面接ではないでしょうか。
しかし、面談は単なる形式的な手続きではありません。
あなたの事業への熱意や、計画の実現可能性を直接アピールできる、最大のチャンスです。
この記事では、融資の現場を熟知した専門家の視点から、日本政策金融公庫の面談・面接で審査を突破するための4つの重要なポイントを解説します。
審査を突破する4つのポイントとその解説
1. 「事業計画書」を自分の言葉で語る
面談の基本は、提出した事業計画書の内容を、自分の言葉でスムーズに説明できることです。
【面談での質問例】
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「御社の事業コンセプトを簡単に教えてください。」
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「売上予測の根拠について詳しく説明してもらえますか?」
回答のポイント
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事業のコンセプト: 誰に、どんな価値を提供するのか。競合他社にはない、あなたの事業の強みは何なのかを簡潔に、かつ情熱をもって語りましょう。
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数字の根拠: 売上予測や利益計画の数字が、なぜその金額になるのか。市場調査や具体的な単価、客数など、数字の根拠を明確に説明できるようにしましょう。
以前、ご相談に来られた飲食店開業希望のCさんの例をご紹介します。
Cさんは事業計画書に「月商300万円」と記載していましたが、当方が「この300万円はどのような計算で、どのような根拠をもってますか?」と聞くと、答えに詰まってしまいました。
そこで、私たちは「①近隣の競合店の客単価を調査し、②席数と回転率から現実的な売上を算出した」という具体的なロジックを準備するようアドバイスしました。
その結果、Cさんは面談で自信をもって回答でき、審査担当者から「しっかりと計画を考えてますね!」とお褒めの言葉を頂けました。
2. 「自身の経歴」との一貫性を示す
融資担当者は「なぜ、あなたがこの事業をやるのか?」という必然性を知りたがっています。
あなたの過去の経験が、事業の成功にどう直結するのかを明確に伝えましょう。
【面談での質問例】
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「なぜ、この事業なのですか?これまでのご経験と関連があるのでしょうか?」
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「この業界は未経験のようですが、どのように知識を補いますか?」
回答のポイント
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経験の活用: これまでの職務経験で得たスキルや人脈が、事業のどの部分に活かせるのかを論理的に説明します。
「前職で培った〇〇というスキルで、このように集客します」といった形です。 -
未経験分野への対策: もし業界未経験の場合、それを認めた上で、「不足知識は〇〇で勉強中です」「〇〇の経験を持つ協力者がいます」など、弱みを補う具体的な行動を示しましょう。
3. 「自己資金の形成過程」を説明する
自己資金をどのように準備したのかは、あなたの堅実性と計画性を証明する重要な質問です。
【面談での質問例】
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「自己資金はどのようにして貯められましたか?」
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「なぜ、この金額なのですか?」
回答のポイント
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通帳の準備: 過去の貯蓄の履歴を証明できる通帳を持参しましょう。給与から毎月コツコツ貯めてきた経緯が何よりの証明になります。
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貯蓄の理由: なぜ、いつから、どのような目的で自己資金を貯めてきたのかを説明できるようにしておきましょう。
万が一、自己資金が少ない場合でも、その理由(例:開業準備のための先行投資など)を正直に説明することが重要です。
4. 「経営者としての資質」をアピールする
面談で最も評価されるのは、事業計画の数字だけではありません。あなたの「人間性」や「経営者としての資質」です。
【面談での質問例】
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「なぜこの事業を始めたいのですか?」
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「もし計画通りにいかなかった場合、どう対応しますか?」
回答のポイント
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成功への熱意: なぜこの事業を始めたいのか、どんな未来を描いているのかを熱意をもって語りましょう。
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失敗への備え: もし計画通りにいかなかった場合でも、冷静にリスクヘッジの考え方(経費削減策や代替案など)を持っていることを示しましょう。
以前、ご相談に来られたシステム開発会社のDさんの例です。
Dさんは自社の技術力に自信がありましたが、面談で「もしライバル企業が安価なサービスを始めたらどうするか?」と聞かれ、回答に窮しました。
技術力だけでは価格競争に勝てない、と頭では分かっていても、具体的な対抗策が示せなかったのです。
そこで私たちは、安易な価格競争から脱却し、「価格」以外の土俵で戦うための具体的な戦略をアドバイスしました。
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① 提供価値の専門化(ニッチ戦略): 「誰にでも」使える汎用的なシステムではなく、「特定の業界・課題」に特化する。
例えば、「〇〇業界の業務効率化」のNo.1専門家を目指すことで、価格以外の「専門性」と「実績」で選ばれる状況を作る。 -
② 長期的なパートナーシップの構築: システムを「作って終わり」の納品ビジネスにしない。
「手厚い保守・運用サポート」や「データ活用コンサルティング」を組み合わせ、顧客の事業成長に寄り添う。
これにより、「安さ」を求める顧客ではなく、事業の成功を共に目指すパートナーを求める優良顧客と長期的な関係を築く。
このアドバイスを受け、Dさんは自身の強みを再定義しました。
面談本番では、「我々は単なる開発会社ではなく、特定業種に特化した業務改善のパートナーです。導入後の手厚いサポートこそが我々の最大の強みであり、安さだけを求める企業とは一線を画します」と回答しました。
結果、Dさんの事業への深い洞察とリスクへの具体的な向き合い方が伝わり、担当者から「この経営者なら、安易な価格競争に巻き込まれず、着実に利益を出せるだろう」という高い信頼を得て、融資を成功させました。
まとめ
日本政策金融公庫の面談は、あなたの事業への想いを直接伝えられる貴重な機会です。
①事業計画への深い理解、②経歴と事業の一貫性、③自己資金の形成過程、そして④経営者としての資質。
この4つのポイントをしっかり押さえることで、あなたは自信を持って面談に臨み、融資成功への道を切り拓くことができるでしょう。
名古屋起業スタートビジョンラボでは、創業融資や事業融資の面談対策のサポートも行っています。お悩みの方はお気軽にご相談ください。